第6話
けれど私は悲しかった。
躊躇わず簡単に人を殺すあなた。
あなたは人を守れる強さを欲した。
やさしいあなたは今も人を守ろうとしています。
隣にいる私に微笑んでくれます。
悩みはないか痛みはないか。
いつでも気遣ってくれるやさしいあなた。
けれどその手は人の血に染まってしまいました。
私は知っています。
あなたの瞳のその奥が
傷つき悲しんでいる。
苦しみの涙で溺れそうな心を
私は知っています。
けれども
人を助け喜んでいたあなたを
否定することもできません。
あなたが傷ついても助けられない私。
私は私が嫌いです。
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