第32話 残酷な「査定」:嘘を毟(むし)り取る儀式

 崩落した床の瓦礫の中で、美波は命乞いをしていた。

「待って……顔だけは……私の美貌は、それ自体が数百万ポイントの価値があるのよ!」

​「価値を決めるのはお前じゃない。このデバイスと、俺だ」

​ 山田は冷酷に美波の髪を掴み上げ、逃げられないように床に固定する。そして、懐から鈍い銀色に光る工業用ペンチを取り出した。

​「その鼻は、何人の男を甘い言葉で騙し、破滅の臭いを嗅ぎつけてきた?」

​「やめて、お願い! 助けて!」

​「安心しろ。死なせはしない。ただ、お前の『商品価値』をゼロにするだけだ」

​ 山田はペンチの先端で、美波の鼻柱を深々と、逃げ場のない力で挟み込んだ。周囲にいた詐欺グループの幹部たちが悲鳴を上げるが、SSランクの威圧感に縛られ、指一本動かすことができない。

​「これが、お前が踏みにじった奴らの絶望の重さだ」

​ ミキッ、という生々しい軟骨の砕ける音。

 山田は一切の躊躇なく、腕の力だけでペンチを捻り、引き剥がした。

​「ぎあああああああああああああッ!!」

​ 美波の絶叫が、煙の立ち込める会場に響き渡る。かつて「女神」と崇められた顔面の中央には、今や見るも無惨な赤黒い空洞が口を開けていた。

​「……ふむ。鼻を失ったお前の推定ポイントは、今『12G』まで暴落した。もはや、そこらへんの野良犬の死骸以下の価値だな」

​ 山田は血に濡れたペンチを無造作に投げ捨てると、デバイスを操作した。

​【通知:ターゲットの『社会的・身体的資産』の完全破壊を確認。ボーナスポイント加算】

​ 山田は悶絶する彼女をゴミのように一蹴し、佐藤の方を向いた。

「佐藤、こいつはもう二度と、誰も騙せない。……次へ行くぞ。この街には、まだ『鼻持ちならない』奴らが多すぎる」

​ 山田の背後で、婚活会場のシンボルであった巨大なウェディングケーキが、火薬の余波でゆっくりと崩落していった。

​ 山田の「査定」は止まらない。次はどうしようか!?

 山田はChatGPTに尋ねた。

​ 案1: 命乞いをする美波の口に、奪った金(硬貨)を詰め込んで「物理的な返金」を完了させる。

​ 案2: 現場に駆けつけた警察(ポイント制の番犬)を、その圧倒的なランク権限で跪かせ、西園寺の居場所を吐かせる。

​ 案3: 山田の暴走を止めるべく現れた「ランクSの美しき暗殺者」との直接対決。

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