第19話 関西篇(第一章) — 戎橋、砕け散る愛

 雪山の惨劇から数週間。運営トップのサキは、さらなる「高揚感」を求めて舞台を西へと移した。舞台は、喧騒と活気に満ちた大阪・ミナミ。

​クリスマスの余韻が残る、道頓堀。

 観光客で溢れかえる**戎橋えびすばし**の上に、若く幸せそうなカップル、ショウタとユイが立っていた。グリコの看板を背に自撮り棒を伸ばしたその時、二人の視界に「異物」が映り込む。

​「……何、これ。スマホが勝手に……」

​ 二人のスマートフォンが突如として真っ赤に染まり、**「SHIBUYA CUPLE HUNT — OSAKA STAGE」**というロゴが表示された。

🚨 通り魔的な「遠隔爆破」

​「今すぐ手を繋げ。離した瞬間に、お前らは終わる」

​ スピーカーから流れる、サキの冷酷な指令。

 二人が驚き、繋いでいた手を一瞬緩めたその直後、ショウタが肩に提げていたボストンバッグが、異様な重低音と共に内側から膨れ上がった。

​「逃げて――!!」

​ ショウタが叫ぶより早く、バッグに仕掛けられていた**「液体燃料式・指向性爆弾」**が炸裂した。

 爆風はピンポイントで二人の足元をすくい上げ、幸せな笑い声は、凄まじい衝撃音と金属片の飛散にかき消された。

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