第11話 風向きが変わる日
4年目の秋。
仕事の会議で年に数回会う程度の彼氏。
ひろみは彼を「いい人だな」と
以前から感じていたが、
突然、好きになったばかりだと言った。
11月18日に
11月15日。
その彼氏と初めて直に話し、
奥さんと死別しており未婚で年齢も近いことを知り、
気持ちが一気に動いたんだと概略だけ説明した。
彼は「いまさら、、何を言っても、、、」と
ひろみを信じた。
ひろみの言葉に嘘はないのかと大きく揺れたが、
その言葉を半信半疑受け入れた。
もともと年齢のある歪な関係が
このままでいいのかと
長い間、心のどこかで悩んでいたはず
この重大問題に、触れずに来たことが大きなことだったんだと思った。
しかし、どうしてもひろみが少しだけ語る
新しく好きになった彼のこと
どうしても信じられないことが多かった。
しかし、それを今さら問うてどうなるものでもない。
ひろみが少しずつ変わっていったことに彼は気づいていた。
それが現実となっただけ、最初の約束が来ただけ
二人の関係に「完結」と結論をひろみは選択した。
そのときひろみは、
きっととても怖かったのだ。
・気持ちを伝えればあなたを傷つける
・でも嘘もつけない
・気づかれたくも、気づかれたくなくもあった
17日にもあっていたが、苦しんでいた
悩んだ
だから、
彼には“突然”の18日になった。
でもひろみの心の中では、
その前から静かに
気持ちが切り替わりつつあったのだ。
そして迎えた最後の日
ひろみが別れを切り出した翌日、
私は「このまま電話一本で終わるのは違う」、
「そんな軽い4年間じゃなかった」と精一杯の思いを伝えた。
最初っから「お互いこの関係が明らかになりそうになったり、ひろみに好きな人が出来た時には、解消しよう」といっていたんだから、突然はないよ!!!会って話したいと伝えた。
ひろみは少し迷ったあとで言った。
「…来て。パスタ作ってほしい。」
その一言が、
私には“最後の温もり”をくれた。
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