第10話:丸井家を訪ねて来た中年男。
ある日の日曜日のこと、丸井家にひとりの中年男が訪ねてきた。
「こんにちわ・・・お邪魔しますよ?」
中年男に対応したのは球太の母、
「はい?どなたでしょう?」
「あ、どうもご当家の奥さんで?」
「そうですけど?・・・あなたは?」
「私は「
「こちらに「茲夏 ミルク」さんは御在宅ではありませんか?」
「はあ・・・ミルクはうちの娘ですけど・・・」
「え?そんなことになってるんですか?・・・お宅の娘さん・・・
あの・・・よければお呼びいただきたい」
「行太郎が来たとおっしゃっていただければ分かると思いますが・・・」
「はあ・・・少々お待ちください」
男を待たせておいて、円は球太の部屋にいるミルクを呼びに来た。
ミルクとのエッチを我慢していた球太は、欲しいものがあるのに手に
入らないレアものを眺めるように事態は一触即発な雰囲気になっていた。
球太はミルクにいつ手を出そうかムラムラ悶々としていた。
クラスの女子を口説いても、なかなかうんって言ってくれる女子はいない。
エッチさせてくれそうな女子からもフられる始末。
体の中に溜まった悪いものを一人でやって出したかったけど、いつも
そばにミルクがいるから、そう言う行為はトイレに行って処理していた。
でも虚しくなるだけ・・・やぱり相手がいないとね。
ラブドールを買う金もなし・・・買っても円さんに変態扱いされるのがオチ。
円ちゃんは球太の部屋の前でミルクを呼んだ。
「ミルクちゃん・・・いくたろう〜って、おじさんが訪ねて来てるわよ」
円ちゃんに呼ばれてミルクが球太の部屋から出てきた。
「は〜い・・・」
「あの、お母さん、私に誰か用?」
「なかだし いくたろうとかっておじさんが、あたなを訪ねて
来てるけど」
「逝太郎?・・・げげ・・・まじで?」
「あのクソおやじ・・・とうとうここを嗅ぎつけて来たんだ・・」
「あの、お母さんそのクソ親父追い返してもらえない?」
「え?追い返すの?・・・せっかくあなたを訪ねて来たのに?」
「私、逝太郎に会いたくないの」
「お〜いそこのふたり、なに揉めてんだよ」
球太がミルクと円ちゃんの会話を聞いて部屋から出てきた。
「いや、ミルクちゃんにお客様」
「どいつだよ・・・ミルクに用ってやつは?」
「とにかく・・・会いたくないって言うならミルクちゃんが玄関まで来て
自分で対処しなさい」
ミルクはしぶしび玄関に行った。
誰がミルクを訪ねて来たのか知りたかった球太もミルクの後ろから付いて
行った。
ミルクの顔を見た中年男。
「お〜ミルク・・・元気そうじゃないか?」
「逝太郎・・・なんでここに来たんだよ?」
「いや・・・ミルクと一度別れたけどまた前にみたいに寄りを戻せないかと
思って」
「もう私達、別れたでしょが?」
「私はもう新しい人生を歩み始めたばっかなの・・・今更寄りなんか戻ら
なる訳ないでしょ」
「おいおい・・・なんか穏やかじゃない気がするな」
「なんだよミルク、パパ活か?」
横から球太が口を挟んだ。
つづく。
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