黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
文芸部へのご参加、ありがとうございます。
今回のテーマである「反復法」を、物語の構造そのもの(ループ)にまで拡張して使いこなされた、圧巻のファンタジー戦記でした。
■ 全体を読んでの感想
「足りぬ!」「反逆者アリウムを祓え」……。
繰り返される絶望的な戦いの中で、精神を摩耗させながらも立ち向かうカルミア姫の気高さに、強く惹きつけられました。ループを繰り返すたびに、同じはずの光景が「空虚なもの」へと変質していく描写の冷徹さが素晴らしく、最後にその「繰り返し」を自らの手で断ち切った瞬間の解放感には、思わず拳を握りたくなりました。
■ お題「反復法」の活用と技法について
本作は、まさに「反復法」の実験場のような一作でした。
・セリフのリフレインによる「呪縛」の表現
魔女の「足りぬ!」や王の「汝の使命を全うせよ」という言葉を、あえて一字一句変えずに繰り返すことで、それがカルミアを縛り付ける「逃れられぬ呪文」であることを表現されています。言葉が重なるほどに、読者もまた彼女と共に運命の檻に閉じ込められていくような、反復法ならではの強い没入感を味わいました。
・情景と音の反復【ゴオオンン……】
物語の節目に必ず響く鐘の音。この「ゴオオンン……」というオノマトペのリフレインが、物語に一定のリズム(拍動)を与えています。最初は開始の合図だった音が、最後には狂ったような連打へと変わる。同じ言葉を繰り返しながらその「質」を変化させる手法は、反復法の極めて高度な応用だと感じました。
・構造としての反復
「兄を討ち、街へ戻る」という一連のシーケンスを繰り返すことで、言葉以上の「虚無」を描き出しています。第6回のテーマを「人生のループ」という壮大なスケールで解釈された点に、深い独創性を感じました。
■ 最後に
「夜明けが?」「足掻く価値があるな」
反復される黄昏を抜け、未知なる「夜」へと踏み出した彼女の笑顔。それは、同じ言葉を繰り返す日々に別れを告げた、最高に「優美」な決意でした。
また部室にて、あなたの紡ぐ力強い言葉のリズムに出会えるのを楽しみにしております。
作者からの返信
@naimazeさま
本作を「反復法」文芸部企画に参加させていただき、また早々にお読みの上、詳細なご講評をいただきまして、感謝申し上げます。
わたくしは言葉は音楽であると考え、呼吸のリズムに従って句読点を配置し、音読テキストとして書いております。本作は特に鐘音とセリフでタイムループを強調し、そこからの脱出と、更に先に待つ絶望の中に瞬く希望を忍ばせる多重構造としておりますが、きちんと意図を読み取っていただき、感激するばかりです。
また機会がありましたら、是非、文芸部に参加させていただきたいと思います。此度は真に有難うございました。
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
すごい…!徨う花の物語とまた空気ががらっと変わりますね。
黄昏の空の下での戦闘と、あの暗い世界観。臨場感のある描写に引き込まれました。
留め珠を掠ったあと、「夜が来る」とわかった瞬間、先を想像してぞくっとしました。
面白かったです。
———
※こんなところで失礼します。
先日は自作に素敵な感想レビューをいただき、本当にありがとうございました。とても嬉しかったです。
作者からの返信
水瀬理音さま
コメント有難うございます!
終にタイムループを脱した世界線では、双子の兄王子アリウムが生きていることが僅かな光明となります。嵐が去った後に、何がそして誰が残っているのか……想像していただけると嬉しいです。
本編と同じウィラルテ・サーガの一篇で第2作「銀紫の乙女」も公開済みですので、お時間のある時にご検討ください。本編の章が終わる毎に短編を公開していく予定で、第5作まで完成済みです!
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
「徨う花の物語」と同じ世界なんですね。
でもこれは、ループしているのでしょうか……。
魔女が王様を、ウィラルテを支配していて。
でも世界が繰り返されていることを他の人も分かってる感じもします。
部下の人が次こそ、って。
だとしたら、辛い……(~_~;)
短いけれど、たくさん詰まっていて。だからこそ色々想像が膨らみます。
作者からの返信
七條太緒さま
こちらもお読みいただき、有難うございます!
全員がループ自体は気付いているのですが、魔女から理由を全て知らされているのはアナクス王とアリウム王子だけなのです。姫は訳も分からず双子の兄と延々と戦わされていました。
元々は5000字くらいあって、魔女の弟子がうろうろしてカルミア姫に仄めかしたり、ループは半日単位で、疲れ切って自室で休む姫と、幼馴染である副官との遣り取り等があったのですが、思い切ってカットしました。
読者の皆様に色々と想像していただきたいと思ってこの形になりましたので、膨らませていただけると嬉しいです。宜しければ近況ノートにリンクしているイメージ画像も併せてご覧ください!
週末には第二作短編「銀紫の乙女」(1200字)を公開しますので、こちらもお読みいただけると幸せです。
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
こちらはまた「徨う花の物語」とは全く違うテイストですね!
なぜ兄王子と戦っているのか、この状況はどうしてなのか気になります。
この硬派な感じでの長編も読んでみたいです!
作者からの返信
佐子八万季さま
こちらも読んでいただき嬉しいです! 本編はラノベを意識しているので、わたくしの本来の文体は、こちらなのです。
使い方の難しい時空魔法と恒神様の冷徹さ故に、こうなってしまいました。三人との関り、時系列と場所は、ムニャムニャでございます。
今週末公開の「銀紫の乙女(1200字)」も、「黄昏の戦姫」と同系の暗い短編なのですが、お読みいただけることを願っています!
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
ああ~、ラブクラフトとかダンセイニに少し似た感じで独特の、運命的な気だるさがたまらなく素敵です(๑´◡`๑)
殺陣も物理的によい感じで好きです。
細かいですが
獲物→得物
であろうと思います。
作者からの返信
掬月さま
コメントと誤字ご指摘、有り難うございます! 修正しました。本編の方でも有ると思いますので、引き続きお教えくださると助かります!
わたくし個人はラヴクラフトは苦手なのですが、抗えないループを延々と繰り返す幻想的な気だるさを出したいと試みましたので、とても嬉しく思います。今後とも宜しくお願いいたします!
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
「徨う花の物語」の、大地が冷えて安定した静謐さを感じる世界観に対して、こちらは未だ熱くドロドロとした混沌を感じさせる物語でした。
高位の時空魔法が、魔女という特異な存在を通してとは言え、躊躇なく使われている事から見て、同じ世界でも古の時代に属する物語なんでしょうか。
世界が丸ごと動く様なダイナミックな描写。こういうのも良いですね。世界が未だ神秘と共に在った時代を彷彿とさせる物語。併せて読むと色々と考察が捗りそうです。
作者からの返信
色街アゲハさま
こちらも読んでいただけて嬉しいです!
設定については……これは当てられる方はいないだろうな、と思っております。本編の章が終わる毎に短編を計5編、投稿する予定で原稿は完成済みすので、お付き合いいただけると幸せです!
編集済
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
効果音がものすごく巧みに配置されていますね。鐘楼の音の重い響きが、緊迫した状況をずしんと読者に伝えてきます。
この世界の曙も気になりますが、どうしてこのような世界・状況になったのか、前日譚にはもっと興味があります。
機会があれば、そちらも読みたいな、などと妄想しています(笑)。
作者からの返信
コメント有難うございます!
わたくしは「言葉は音楽である」と思っていて、音読テキストのつもりで書いておりますので、音に注目していただけて感激です。
実は本編「徨う花の物語」と同じ惑星ウィラルテが舞台の「ウィラルテ・サーガ」の一篇なのです。本編の章が終わるタイミングで短編を投稿していく予定ですので、お付き合いいただけると嬉しいです!
黄昏の戦姫(たそがれのいくさひめ)への応援コメント
リカちゃんたちの物語と同じ世界を感じるのに、空気ががらっと変わっていて驚きました。 黄昏の色や鐘の音、そして繰り返される戦いの中に溜まっていく疲労感に、ぐっと惹き込まれました。 足掻こうとするカルミアが印象的でした。
完結済とのことなので、どこかでこのエピソードのその後が語られることがあれば嬉しいです。
作者からの返信
丈王音羽さま
こちらもお読みいただき有難うございます! とても嬉しいです!
わたくしの文章は本来、こちらになります。本編と同じ惑星ウィラルテの一篇ですが、他の短編は兎も角、この「黄昏の戦姫」の後日譚は読者の皆様に色々と想像していただけたら、と思っています。
父と魔女を手に掛け、タイムループを脱した最後の世界では、アリウムが生きていることがカルミアにとって微かな希望の光です。大嵐と都の人々の争いの果てに訪れた曙。そこに何が残っているのか、誰が立っているのか……。