ルナタリア彷徨譚

Rilla.

プロローグ

渇いた空気が喉につかえる不快感で、ぼんやりとした意識が徐々に覚醒していく。


瞼を開くと夕暮れの光が刺さり、慌てて目を細めた。

手をかざしながら目を開くと、窓枠の隙間から漏れた光が自分へと向かってきているようだった。



ここは一体…



あたりを見回しても見覚えはなく、ひどく荒れた様子の建物に物悲しさを感じるだけだった。

ぐるぐると思考していると、とても大切なものが抜け落ちていることに気づく。




───私は、誰?

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