スパダリ先輩は後輩のことが大好きです

@Ama212

第1話:スパダリ先輩は朝に弱いです

「先輩、朝ですよ!」


 すっかり冬の匂いが漂う師走に、ぬくぬくと布団に包まれる先輩を見つめる。

 

「やぁダーリン、今日も朝が早いね」


 目の前にいる女こそ、私の先輩であり“恋人“の富園聖奈【ふおんせいな】である。


「早くないです、もう7時半です」


「…それは誠か?」


 ――――――


 私の名前は篠原かなめ【しのはらかなめ】です。

 

 ここ、天菜高校に通う1年生で、周りからは能面と呼ばれています。

 全く失礼な…


「富園先輩かっこいいー!!!」

「こっち向いて〜!」


 騒がしいけど、これはうちの高校の日常です。

 あれ、なんか歩いてきました…


「久しぶりだねダーリ…かなめ」


「誰ですか話しかけないでください近寄らないでください」


「ひどくないかい…」


 私は目立ちたくないので、先輩には学校ではあまり近寄らないように言ってるんです。


「でも先輩、よくあんな短時間で身支度終わりましたね」


 先輩が無駄に美しい銀髪をなびかせてきました。

 う、いい匂いがする。


「ああ、私にかかれば、どんな事柄であろうと思い通りになるからね」


「いつか盛大にやらかして欲しいです」


「今日は一段と辛辣だね…」


 これから始まるは、陰キャな後輩…とスパダリ先輩によるほのぼのライフストーリーです。

 (ほのぼの…?ドキドキの間違いだろう!?)


 幻聴が聞こえる…

 

 

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