15話 〜私には一択〜
なんだろ?ちょい久々なだけで緊張する。
でも、そのドアを開けると……
「いらっしゃいっ久しぶり」
そう、なみのりにぃ〜キタァー!
覚えていますか?
私はアユミ。
やっと念願が叶いました。
「また来てくれたんだね、ありがとうね」
「いえ、もっと来たかったんですけど、ちょっと仕事が」
「ああ、何か大変だったんだ?平気ならゆっくりしていってね」
うわぁ、優しい一言。
会社の上司に聞かせてやりたいわ〜。
なんならマスター!私の上司にしてあげましょうか。
ワッハハー。
「はい、アユミちゃんお通しねぇ」
おお、女将さん。
ちゃんと名前まで覚えてくれているぅ〜。
何で3ヶ月近くも来なかったのか、私は?
「うーん、美味しい。ビールとお通し。コレだけで幸せ〜」
「美味しそうに呑みますね。マスターあの方は?」
「ああ、アサミは初めてか?飛び込みでで来てくれたお客さん」
「初めまして。名前も一文字違いだし、歳も近そうだし、私38ぃ宜しく〜」
「あ、私は33になりました。こちらこそぉ」
「おい、アサミお前40……うぅ、んご」
アサミさんマスターの口塞いで、必死か?笑
「ぷぅはぁ、おま、そんなことしてるとマメに言って出演回数を減らさすぞ!」
「ええ〜ごめんなさい。マメが何だか分からないけど……」
うんうん、何だろね?
まさか、マスターには見えないチカラがぁ!?
恐るべし男よマスター!
それは置いといて、
「はい、お待ちどう様〜」
うわぁ今日も美味しそう、女将さん。
「で、少しは落ち着いたの?身体壊さないようにね」
「女将さんありがとうございます。実は転勤させられそうだったんですよ」
「ええ!越してきたばかりで?」
「そうなんですよ、マスター。何でも欠員が出たとかで」
ホント堪んないわよ、やっと見つけた私のオアシスがここにあるのに。
「ふーん、そうかでも断ったら出世とかどうなの?」
「そうなんですよぉ、それでこんなチャンスを逃してバカか?て部長がぁ」
まぁ、それも仕方ないけど……
「うわーすごいわね、アユミちゃん。出来る女て感じぃ」
もっと言ってアサミさん。
て、いつの間にか日本酒にシフトしていた私は酔ってるぅ🎵
「ルツェルン?て、どこですか?」
番頭さんも知らないかぁ。
「スイスです」
「スっスイスなの?」
おお、やっぱマスターも驚くかぁ?
「いいなあ?スイス。綺麗な山と美しい男」
「アサミ黙れ。一度行ってさ、それで帰って来れば良かったじゃん?」
ま、そぉなんすけどねマスター。
「いゃ〜、支店長代理として行くんで、今の支店長がそのまま退社したら、私が……」
「ええ、凄っ、何で断ったの?勿体ない」
「ええ、それで揉めに揉めて、部長が本社と私の板挟みで怒り狂いまして」
で、やっと何とか落ち着いたっと、
おっとっとお酌ありがとう番頭さん。
「ホントに後悔していないの?」
「ええ、ここが私にはやっと見つけたオアシスなんで」
「て、この間来たばかりですよね?」
「はい、ビビっと来ましたビビっと」
ついお母さんの口癖がぁ〜?
「でも、こんな店とスイスをねぇ?アユミちゃんおかしな子だね?」
「お前が言うなっ!」
完
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