第7話 私は赤ちゃん
どうも皆様、またもや父である上司に呼び出されていた私こと
皆様はお元気ですか?私は今日も普通です。
変わり映えしない日常ですから元気もクソもありません。
そもそも私も一応は神の一柱ですから、体調を崩すなんてことは生まれてこの方数十…数百…数千億年?もう覚えていないくらいの間一度もありません。超健康優良女神です。皆勤賞です。
何故私がこのようなことを考えて皆様に語りかけているのかと言いますと、ただの愚痴です。なのでただ聞いてください。
それはさておき皆様は既にお気付きかとは思いますが、神界の運営は人間社会でいうところの所謂会社のようなものでして、父が社長でその下に幹部職の神々がいて、そのさらに下に管理職や平の職員の神々や天使みたいなの者がいるという構造です。
神界を管理運営する神々が属する管理運営部。
法や正義の神々が属する法務部。
鍛治神を始め多才かつ多種多様な神々が属する何でも屋の総務部。
金運を司る神々が属し、神界の財布の紐を支配している財務部。
という何の捻りも面白味もない適当過ぎるネーミングセンスを持っているのが神界になります。
考えた方をこ一万年程問い詰めたくなりますね。
それらの部署の中で、先日の乳の女神のように自分の世界を持っている神々や
神界は定期的に霊界から
今日は異世界への転生や転移に関する知識を深めるため、父から直々に講習会の講師役に任命されたのです。
「あぁ…非常に憂鬱ですね。毎回この時期は嫌になります」
先程私は普通ですと言いましたね?あれは嘘です。
凄く凄い憂鬱です。語彙力も塞がってしまうくらい憂鬱です。
神籍を得て新たな一歩を踏み出す希望に満ちた目、やる気に満ちた目、不安の滲む目…そのようなあらゆる視線に晒される毒舌陰キャの私。
「絶対耐えられるはずがないです…共倒れになるでしょう」
私は自分の性格を知っています。
曰く、表情筋が死んでいる。
曰く、感情を母親の胎内に置いて来た。
曰く、塩超えて岩塩。
曰く、絶対零度より低温。
曰く、褒め言葉もナイフの切れ味。
曰く、口内にハッカクキリンが生えている。
曰く、悪魔も泣き出す。
曰く、目が合ったら石にされる。
曰く、瞳孔ベンタブラック。
ボディービルの掛け声とは真逆のネガティヴに振り切った周りからの評価…全て正しいです。素晴らしい理解力と洞察力に花丸をあげたいところです。
このような私がピカピカの一年生である
ピカピカの一年生が私の性格に耐えられるでしょうか…これも断じて否です。
誰がこんな馬鹿な人選をしたのでしょう…あ、馬鹿親でしたわ。馬鹿な親を持つと子は苦労しますね。
いくら私だけが
「とは言え仕事はする、指導もする。両方やらなくっちゃあならないところが勤め人のつらいところですね…」
それは、誰しもが経験したことのある感覚「慣れ」です。
「慣れ」とは本当に恐ろしいものです…私は身をもって経験していますし、いまだにその被害に遭い続けています。
私の同期や先輩の神々に関しては
そのため、私の事を軽視し、
もちろん私は気にせずそのような手合いは無視しますが、私の同期や先輩方はそうはいきません。
そりゃあもうブチギレですよ…「何も知らねぇクソガキが舐めた口を利いてんじゃねえ!テメェの世界潰すぞ!」と整理券まで用意し、それをアイスの当たり棒のように手に握り締め、ゾロゾロと長蛇の列を作って一人ずつ順番に代わる代わる罵倒して行くのです。聖母やママとも呼ばれる女神までもが罵詈雑言を浴びせる姿は非常に見ものです。ハート◯ン軍曹も真っ青です。微笑みデブはニッコリです。
終わる頃には頭の悪い神は
先達達がそれ程神経質になるからこそ
「さて、どう教えたものですかね...」
「お疲れ様、貴女また
声がした方を振り返ると、そこには糸目・垂れ目・泣き黒子・不◯子ちゃんボディの女神が頬に手を添えて心配そうに私を見て立っていました…先程言っていた聖母と呼ばれている女神です。
「大丈夫?一人でやりきれるの?」
「大丈夫よママ」
「もう、そのあだ名はやめてって何度も言ってるでしょう?」
ママ…もとい聖母は頬を膨らませて腰に手を当てています。ぷんぷんです。可愛いです。
これは「ばーぶー!」「ちゃーん!」「はーい!」
としか言えなくなる男神達の気持ちが理解出来る気がします。
聖母より先輩の男神達ですら「バブみ」があるとか「オギャりたい」と言ってしまう聖母のママ力恐るべしですね。
「もう、心配してあげてるのにちゃんと聞いてる?」
「ばーぶー」
「こーら!真面目にしなさい!」
「すみません。男神達が憑依していたようです。
怖いですよね、男の欲望」
「もう、また馬鹿なこと言って…それで、大丈夫そう?お手伝いはいらない?」
ほらね、ナチュラルにママムーブして来ますよこの聖母様は。
「先輩も忙しいでしょうから大丈夫です」
「私の管理してる世界は今は安定期だし、少しの間くらい大丈夫よ?」
「ママが安定期とか言ったら男神達の妄想が捗りますね。パパはどなたですか?」
「もう、そんなはずないでしょう?講習会の補助とか必要ないかって聞いてるの!」
聖母様は気付いていませんね…男神達の呼吸が荒くなっていることに。
「まあ、そんなはずがあるかないかは別として、先輩が補助に入ったら
「え、どうして?」
「先輩にばかり目がいって、話を聞く余裕が無くなるからです。恐らく、神界で先輩のママみに抵抗出来るのは私以外にはほとんどいないと思います」
「えっ…そんなこと無いでしょう?」
「………」
「ねえ、何で黙ってるの!?」
「ママはそろそろ自分がどれほどママをしているか自覚するべきだと思いますよ」
「もう、揶揄ってばっかり!じゃあ私はもう行くけど、困ったことがあったら相談するのよ!」
「ママに甘える年齢じゃありませんので大丈夫ですよ。ですが、心配していただきありがとうございました」
「ふふっ、またね!」
聖母は私にお礼を言われてご機嫌になったようです…チョロすぎてちょっと心配になります。
「さて、ママのおかげで気が紛れましたし、講習会の資料でも作りましょうか」
では皆様、私は作業に集中しますのでまたいつかお会いしましょう。アリーヴェデルチ。
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