第25話 信じるという選択

公園に着くと、いつものベンチに陸叶と峻が座っていた。


「おせーよ」


峻に言われて時計を見ると、最後に連絡してから既に三十分経っていた。


「うわっ、ごめん。でも連れてきたよ!」

「ども、重信銀河です。趣味・特技はダンス! よろしく!」


差し出された手に、峻は手の甲をトンと軽く合わせた。

フレンドリーに握手するタイプではない、峻らしい挨拶だ。


「奥苑峻。よろしく」

「あ、俺は東陸叶。よろしくね」


いよいよだ――とばかりに、銀河は体を動かし始めた。


「俺、自分らのチームに入りたいねんけど、認めて貰うには何したらええ?」

「何……と言われても……」


陸叶は困惑気味に峻を見る。

峻はというと、そんな陸叶と銀河に交互に視線を向けたあと、海吏に向かって言った。


「お前がいいなら、それでいいんじゃね?」

「えぇっ!?」


海吏は驚きのあまり、言葉が出てこなかった。

峻のことだから、「まずは踊ってみせろ。話はそれからだ」ぐらいのことを言うと思っていたのだ。


「い、いいの?」


聞き間違いではないよなと、海吏はもう一度確認する。


「お前、見てきたんだろ?」


それはあたかも、「お前の見る目を信用してる」と言われているようだった。

海吏が照れている横で、銀河は嬉しそうに陸叶とじゃれ合っている。


(なんか、めっちゃ順調かも!)


海吏が実感していた穏やかな時間は、長くは続かなかった――。

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