第6話 模擬戦をしよう

フェニィ教官が、模擬戦の開始を宣言した。

そしてルールを説明し始める。


「ルールは、アタシに一発でも攻撃できたら、

Dランク冒険者としてスタートして貰うそれだけだ。」

「えっ!?」

「何を驚いてる、アタシはAランクだぞ。

ステータスもスキルも進化回数も戦闘経験も違う。

妥当な条件だと思うが。」


コハクちゃんが驚いて声を上げた。

その後、絶望した様な溜め息が聞こえたが、

多分気のせいかな?


「パーティーを組むのなら複数で挑んでも構わない。」

『コハクちゃん!攻撃当てよう、もちろん二人で!』

「うん…ソルテちゃんがそう言うなら…出し惜しみは、無しだよ!」

『うん!』


出し惜しみは、しない事に決まった。

なら、あのスキルも使って良いかな?

まだ、加減がわかんないけど。


と、そんな事を考えていたら、私達の番だ。

他のプレイヤーは、何も出来なかったらしい。


「最後は、お前達か。」

「みゃ!(えっ!)」

「はい!」

「なら、始める」


なんか最後だったらしい。

まぁ良いかな?…うん。


「どうした、来ないのか?」


あっ!もう始まってるんだった。

まずは、コハクちゃんから降りよう。


「ソルテちゃん、準備は?」

「みゃうん(大丈夫)」

「それじゃ!行くよ!」

「みゃん(うん)」


コハクちゃんがすごい、鳴き声だけで伝わってる。


「えい!」


コハクちゃんは、貸し出し用の杖を使っている。

これには、回復魔術と多少のバフ魔術をスキルが無くても、

使える様になる効果があるらしい。


「みゃ!」


バフがかかったみたい?

ステータスを見ると、敏捷が20%上がっていた。


「どうした、バフが付いていてそれか?」


やっぱり子猫のステータスだと、バフが付いてもダメだねぇ。

そして私は攻撃を仕掛けても、教官に簡単に躱されている。

ならもう、全力で手加減しよう!


(キャットエンハンス)


皆んなが止まっている様に見える。

ステータスを確認すると、HP MP含め全ステータスが無限になった。

こんなのが、運営側に完全協力したら、デスゲームが終わる事は無いだろうなぁ。


よし、慎重に一歩進もう。

かなり慎重に歩いた筈なのに15メートルぐらい進んでいた。

これは、ダメだね、5分間は解除できないし、その後30秒のスタンがある。

それなら、かなり優しくタッチすれば大丈夫かな?


「みゃん(えい)」

「え!???」


その後、教官が大怪我をしたのは、必然だった。



「みゃーん(きょうかーん)」

「アタシは大丈夫だソルテ、そんな顔しなくても…」

「フェニィ教官、ソルテちゃんがすみません」

「問題ない、アタシはMPか炎があれば再生できるからな」


私達は冒険者ギルドの医務室にいる。

理由は、私のせいだ。

私は今、罪悪感に潰された顔をしているだろう。


「フェニィ教官、ここで言うのも何ですが、私達は冒険者に…」

「そこは、問題ない背中をゆっくり触れるだけであの威力だ、

コハク、お前がしっかりと手綱を握っていれば、

Cランクから始める事を許可しよう。」

「え!?」

『私は、それで問題ないよ。』

「ソルテちゃん…わかりましたありがとうございます!」

「ソルテ、お前のそのスキルは、…よく考えて使う様に。」

「にゃん(はい)」


と言う事で、この話しは終わった。

そして次の話しに移るみたい。


「受付に行けばギルドカードが受け取れる、お前達はそこで受け取れ。

そしてソルテ、お前は月一で訓練場に来い、特訓してやる。」

「みゃん!(はい!)」

「良い返事だ。」

「あの私は?」

「お前も特訓だ。」

「あっはい!」


月一の特訓が決まった。


〈クエスト・ギルドに登録するを達成しました。

達成報酬として、100SPを取得しました。〉


コハクちゃんと目を見合わせる。

どうやら、同じアナウンスが聞こえたみたい。

でも何でこのタイミング?


『ギルドカードが出来たんじゃない』

『そう言う事?』


フレチャで話して、結論がこうなった。


「お前達、もう良いからカードを受け取りに行け!」

「みゃん!(はい!)」

「はい!」


そして私達は、ギルドの受付に、

ギルドカードを受け取るために、

移動を始めた。

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