第四話

辺りはすっかり暗くなっていた。俺と女は焚き火をすることにした。


焚き火を起こし、落ち着いてきたので俺は改めてお礼を言った。

「......さっきは、本当に助かりました」


女は何も言わなかった。三分ほどの沈黙が続いたあと、やがて口を開いた。

「気にしないで。通りがかっただけだから」

「ところで、何をしていたの?」


言い終わると同時に、女は氷魔法で攻撃してきた。

急なことで反応が遅れた。

だが、間一髪で巻き戻しが間に合った。


五秒前に戻る。


「ところで、何をしていたの?」


その言葉と同時に、俺は身をかわした。


――えっ? 待って。

今の攻撃、来るのが分かっていた動きだよね?

ここにいる理由も分からないし……怪しい。


女は、俺を疑っていた。

……たぶん、そういう目をしている気がする。

俺は本当に、いつも運が悪い。


どうすることもできず、俺は、能力のことや森にいた理由など、今までのことをすべて話した。勇者を追放されたこと以外は。そして俺は強くなりたいとつい、口に出してしまった。


「いいんじゃない? 使い方次第でかなり強くなると思う 。協力するよ。」

女は俺を疑っていたとは思えないほど肯定的だった。


俺と彼女は、強くなる第一歩として装備を新調するため、街へ向かった。



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