つ ま ら な い 世 界 の 【 冒 険 譚 】! !

宮田

第1話

世界ってどうしてこうもつまんない訳〜?」


「はぁ?何さ、いきなり。」


突然、寿々奈が机に突っ伏して「あー!」と大声を

上げたかと思うと二言目には[世界がつまらない]

と突拍子も無い事を言うものだから涼は咄嗟にも

そんな寿々奈に 呆れつつ、

いつもの事かと思いながら

いきなりの言葉に質問を質問で返してしまいます。


「だってさ!考えてもみてよ!」


寿々奈はいきなり机から立ち上がったかと思うと

またしても大きな声で講義をする様に言います。

瞳にはどうしても納得がいかないという様子が

全面に出ており、それを座りながら呆れた様に

見つめる涼、何を考えてるかよく解らないが、

ぽけーっとした様に見つめる詩六(しろ)が

次の言葉を待っている様でした。


「こんなにも現代社会に魔法だの、錬金術が

行き交っているというのにも関わらずにだよ?!

どうしてこうも世界は平和なのさ!もっとこう

ファンタジーアニメみたいに胸熱に魔王と戦う!

とかそゆのが無いわけ!?」


そう熱弁する寿々奈の目には反抗意識と子供ながらにどうしても納得がいかないという意味が込められていた。涼も詩六も特段それに他意は無くむしろその意見には賛同する方だった。この世界には確かに錬金術や魔法が行き交うものの、別にだからと言って特段何か特別な事件が起きる訳でも何も無く、生活に馴染みきった魔法や錬金術になんとなく鬱屈した気持ちを抱えていたからだ。


「そんなこと言ったってどうするのよ。

つまらないのはそうかも知れないけど、それを

改善する手立ても何もないじゃない。私たち普通の小学生なんだよ?」


そう、寿々奈達は現に小学生だ。小学生がどうして

つまらないからと言って生きていけるのだろうか。

涼の意見は真っ向から寿々奈の飢えた好奇心に

突き刺さった。


「あらあら、じゃあ冒険でもしてきたらどうー?」


ドアの方から優しいおっとりとした声が聞こえたかと思うとその声の主は寿々奈の母、紅葉(あけは)だ。中々におっとりした声でそんな事を言うものだから寿々奈を除いた、涼、詩六は、

意表を小突かれた様に目をまるまるとさせた。


『…………』


少しの静寂の後、寿々奈はガチャガチャとクローゼットを漁り始めて何をしているのかと涼や詩六が見守っているのも束の間、日曜日のお昼真っ下がり、

寿々奈は着替えてポシェットと何を入れたのか大きなボストンバッグを持つとこう言った。


「つまらないなら冒険に出ればよかったんだよ!

行こう!涼ちゃん!詩六ちゃん!」


こうして始まったのは小さな少女達が織り成す

小さな冒険のお話。


行き末はどの様になっていくのか、涼は口を開けたまま、詩六は「おーっ」と関心の声をあげながら、

今日も寿々奈に翻弄されて行くのでした。

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