人類軍 兵制マニュアル ――霊環歴二四八年・技術規程詳解――
第一章 技術史と魔導火器革命の系譜
かつて人類社会は火薬式兵器を主力としていたが、
霊弦霧を利用した「魔導加速技術(MAR)」の確立により、火薬兵装は歴史の表舞台から姿を消した。
この技術革命はアクシオン連邦、ベルディア王国、クラヴァニア帝国という三大国家すべてで採用・標準化され、現代戦の主力火器体系として確立している。
三国は兵装・補給の完全な規格統一を図り、“統合魔導兵装局(United Magical Arms Department)”を設置。MAR火器やH-HEなど共通設計の兵器・部品には、中央に霊導結晶と魔導加速円を配し、三国協調を示す三曲線をあしらった“MAR兵制軍マーク”が刻印されている。
MAR技術の根幹は摩擦を無視可能な反発魔法と、滑走魔法による低抵抗・高速移動という、人類製ハイエルフ用関節の動力機構開発の副産物として生まれたものである。
H-HE(人類製ハイエルフ)の膨大な質量と複雑な駆動軸を制御するため、
エルフの霊導式浮遊運搬技術、
反発魔法:関節の瞬時駆動・摩擦抵抗の無効化
滑走魔法:連続運動・高効率な加速と減速の制御
という二重の術式が導入され、
機体のパワーロスなしの超高速・高精度動作が可能となった。
摩擦を無視する反発魔法・滑走魔法の応用が、やがて小型火器や車両・軍用装備に転用され、全人類規模の兵器体系へと進化したのである。
MAR(Magically Accelerated Recoilless)式火器は、霊弦霧から抽出した人工霊石をエネルギー源とし、
火薬も薬莢も一切使わない「完全ケースレス弾方式」で設計された、人類軍の魔導射撃兵装群である。
その基本構造は、弾丸の給弾・チャンバー送り、撃発に「反発魔法」。
銃身内部の「滑走魔法」や、レールガン型では「雷魔法」「氷属性石」併用による超電導加速 という魔導術式が随所に組み込まれている点にある。
引き金を引くことで魔法起動パルスが走り、反発魔法で弾体が瞬時に撃ち出され、銃身を滑る間に追加の魔力加速が重なり、初速・貫通力ともに従来兵器を凌駕する。
【MAR火器の共通特徴】
機械部品点数の少なさ、排莢不要・ガスレスの安定性
ケースレス弾頭と魔導推進構造のみで完結する射撃サイクル
弾薬交換はマガジンごと、人工霊石のバッテリーも一体交換が主流
一般兵士でも整備・補給が容易な設計(≒現代自動小銃感覚の運用性)
初速は拳銃型で900~1,300m/s、機関銃型で1,300~1,400m/s、
滑空砲や大型レールガンでは2,500~3,000m/s以上とされ、
“物理・魔法の壁を同時に貫通する”ことを目指した兵装体系となっている。
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