二〇〇八年の漢字は『変』。への応援コメント
こんばんは。
まずは普通に感想になってしまうんですけど、とっても面白かったです。やっぱりちょっとした言い回しや描写で心を揺さぶってくるのが鷹さんだよなあ……!と改めて思わされました。これは全然関係ないんですけど、2008年は私が生まれた年なんです。自分が生まれた時期の世の中のことなんて、当時元気にばぶっていた私は全くと言っていいほど知らなかったので、こうやって物語として書かれることで、少しだけかもしれませんが知ることができました。それはやはり、作品にしっかり温度があったからだと思います。登場人物たちは架空の存在ですが、しっかり心臓があるように感じました。私はこの短く切り抜かれた場面だけで彼らを見ていますが、彼らの過去のこととか誰にも言えない葛藤とか、そういうものまで伝わってくる気がするんです。鷹さんは分かりやすくエモい文章が得意だと仰っていますが、今回はその分かりやすさがとても良い効果を発揮していたと思います。すごく素敵な作品でした。
それでは、大変恐縮ではあるのですが、評価のほうに移りたいと思います。
私は、
テーマ解釈 9/10
物語性 10/10
独創性 8/10 で、合計27点とさせていただきます。
まず、テーマ解釈ですが、鷹さんはとても真っ直ぐな解釈をされているなと感じました。曲の歌詞を一部引用して、それに主人公がつっこむという描写が多く、読んでいて、この箇所は歌詞のあの部分とリンクしてるな……とすぐわかるところが多かったです。また時代設定を楽曲のリリースと同年にすることで、夜明けがいつ来るのかもわからないような当時の日本、そしてそこで生きるどうしようもない主人公の現状と、曲の明るく華やかな雰囲気との対比が非常にあざやかでした。楽曲自体もただただ底抜けに明るいというわけではなく、当時の日本に対する皮肉や適度なあきらめも感じるので、そこも作品と上手くマッチしていたと思います。物語の最後「信じるしかない」という結論に至るのも、最後の最後まで曲に寄り添っている感じがして良かったです。けれどもう少し真っ直ぐすぎない取り入れ方も見てみたかったというのもあり、満点にはしませんでした。
次に物語性ですが、正直ここは私なんかがコメントする必要がないくらいに完璧だったと思います。流れるような、でもしっかりと心を引き留めてくる丁寧なストーリー展開でした。これを4000文字ちょっとで全て書ききれるのほんとすご……。すべりまくるところのあのじりじりした空気とか、読んでいるこちらにも痛いほど伝わってきました。そしてそこでメンタルをやられた後のラストのエモーショナルな心情描写、素晴らしかったです。一言で表すなら、めちゃくちゃ良い話でした。
最後は独創性です。お笑いのネタを丸々書くのって、普通の人ならなかなかしないはずです。というか出来ればやりたくないはず。だってわざと面白くないものを書くにしてもユーモアがいりますからね。あの絶妙な感じは鷹さんでなければ書けないのでは、と思います。そして、主人公の置かれた状況、とっても辛いです。とっても辛いんですが、変に重苦しくならないのもやはり鷹さんだからだと思います。この独特な温かさと冷たさのバランスがいいです。
8点にした理由は、シンプルにぽんぽん丸さんと比べたら、というところですね。
講評になってるのかすら謎ですが、とにかく楽しませていただきました。ありがとうございました。
作者からの返信
となりさん、講評をありがとうございます!
奇しくもとなりさんの生まれた年にリリースされた曲がテーマということで、創作の神様はいるのかなぁと不思議に思う今日この頃。
意識していたこととしては、僕が中学生だった2008年の頃ってどんなんだったかなと思い出しながら書きました。
当時は、親の金で暮らしていたので景気とかはよく分からなくて、ニュースで大人が深刻そうな顔をしているのを見て不思議な感じでしたね。
その中で、芸人が歌を歌うことがよくあって、アーティストを差し置いて、芸人の面白おかしいシュールな歌がテレビでよく流れていたのを覚えています。
中学生にとっては大人が情けない恰好だったり、アフロや女装といったパンチの利いた衣装でキレッキレの歌を披露しているのを見て、純粋に面白かったのですが、改めて見てみると、皮肉だったり、裏にある切羽詰まった感じがいいスパイスになってその落差を感じ取っていたんだなと一人子どもの頃の自分を感心していました。
最初は駄目もとで審査員をお願いしましたが、快諾してくださりありがとうございました!
楽しんでいただけたのなら幸いでございます!
二〇〇八年の漢字は『変』。への応援コメント
鷹さん、こんばんは。
まず最初に、時代背景がしっかりしていると感じました。
そして、主人公の孤独もよく書けていて素敵です。
4000文字あるので、途中で仲間ができたり人気が出たりする展開もアリだとは思いますが、同郷の人や美容師や芸人仲間と話したりする以外は最後まで一人。
それがぐっときますね。
・テーマ解釈:9/10
・物語性:10/10
・独創性:7/10
合計26pt
テーマ解釈、良かったです。
「ニホンノミカタ」って寂しさを伴う曲だなと思っているので、主人公が最後まで誰かと親交を深めたりしないのが合っていると思います。
ただ、おそらく「ニホンノミカタ」の歌詞は、「ウケなくてもいいや、好きなこと書けば」的部分が少しあるんですよね。
そこももうちょっと踏襲してもらえると満点だったかな。
(主人公が舞台袖に逃げてしまったのでw)
物語性は満点です。
リーマンショック、家賃の相場、下北沢(当時注目されていましたよね)、「今の時代が薄っすらと暗いから」、そういう背景が物語によく絡んでいて、深みを出していると思います。
独創性はそれほどでもないかな、と。
こういう展開、おそらく他にも似たようなのがあると思います。
ただ、美容院に行って~というような展開は良いなぁ。
それほど独創性が高くなくても、面白く拝読できました!
あ、そうそう、観客の野次が妙に知的なのがツボでしたw
ありがとうございました!
作者からの返信
祐里さん、講評ありがとうございました!
>時代背景がしっかりしている
“巨影を擬く”からの課題だったので、ちょっとは成長出来てよかったです!笑
物語のセオリー、特に起承転結なんかを勉強していると、最後に解決しない物語を書くのって結構怖いことだと思うんですよね。
ただ、世の中にはただ日常を描いているのに面白かったり、何かを感じさせる作品があるのも事実で、今回はそこに近づけるようにかなり攻めました!
あと、意外と明るい歌詞の曲って、メロディ含めて聞くと光の後ろにある影まで表現されていることもあって結構な落とし穴なんですよね。
>ウケなくてもいいや、好きなこと書けば
個人的には、とんねるずが好きなこと書いたらなんでもウケそうな気もしますけど。笑
確かに、ある種の開き直りというか、お笑いに対する情熱、いい意味での適当さが表れてる曲だと僕は思います。
多分、そういう情熱を続けているからとんねるずを目指す芸人が数多くいるんだと思います。
ただ、みんなとんねるずになれるわけではないので、今回はそこを削りました。書き終わってしばらくした後に言語化した結果論ではありますけど。
そこ削った分、物語性のところが尖ってきたのかなと分析してます。
個人的には、奇を衒わないどこにでもある手触りの作品で驚かせたいっていう目標もあるので……。笑
まあ、色々試してみます!
観客のヤジとか細かいところまで見てくださってるのが本当に嬉しい。笑
ありがとうございます!
二〇〇八年の漢字は『変』。への応援コメント
コメディ企画へのご参加ありがとうございます!
他の方々の熱い講評の後で大変恐縮ですが……自主規制で、企画参加の方の全作品にコメントすることにしているので、僭越ながら突撃させて頂きます(ドキドキ)!
下北沢という文化のメッカで、挫折の中でキラリとした希望を見つける主人公さんのガッツが素敵だと思いました。やっぱり、何処にも希望はあるんですね!
あと、最後に引っ張ったバッハの髪は、びよーんて元のクルクルに戻っちゃったんでしょうね、というお笑いエンドで、強引に拡大解釈させて頂きました(笑)
作者からの返信
小日向ひなたさん、素敵なコメントありがとうございます!
後、コメント圧をかけてしまいすみません。笑
シュールコメディという事で、もうちょっと頭使わずに笑える方が良かったかなと思いつつ……、シリアスの中に笑いのエッセンスを閉じ込めてみました。という事で出してみました。
バッハの髪は、コミカルに「パチィン!」みたいな音を立てながら戻ってもいいですし、伸ばしたら伸ばしたまま戻らなくて焦るくらいでも面白いと思います。
企画に参加させていただきありがとうございました!