第12話 結城劇場 その2
”結城、エドワード卿に挨拶する前の記憶のフラッシュバック ”
俺は思い出していた、スーザン・デービスとの出会いはオック〇フォ〇ド大学に入学して、何気なく所属したサークルの飲み会、、、近くの学生御用達のパブで騒いでいたら、先輩の明らかに御貴族さまのグループが差別用語連発で俺に絡んできた。
A氏「ユウキ、お前日本人なんだろ、カラテを見せてくれよ。」
B氏「手裏剣はないのか、ここで投げてくれよ。」
ボス「おい、日本人、お前らサルが何しにこの国に来たんだ!」
C女性「あ、あの~携帯の、、番号教えてくださ~い、、、」
(おまえは絡んできたんじゃないのか~い!)尚美
そんなやつらを相手にせずに飲んでいたら、とってもキュートでオッパイのでかい赤毛の女の子が「あんた達!‥いいかげんにしなさいよ!」とまわりの男性が見て見ぬふりをしている時、勇敢に怒ってくれた。
御貴族さまのグループは今度は彼女に文句をつけようと近づいてきたので、俺はその間に割り込み‥‥
「それでは、日本からやってきた黄色いサルが先輩方にご挨拶の一芸をお披露目いたします。」
そう言って俺はバブのに隅に置いてあった。すこし埃がついた箱型のピアノの前にいって椅子に座り、両手の人差し指でけん盤をポン、ポン、ポンと音を確認しながら指を増やして、ゆっくりメロディーを奏で流し、あの名曲を透き通る声で歌い出した。
英国人なら誰もが知っているリヴァプール出身のロックバンドの曲
騒いでいた他の客もすこしづつ黙り込りはじめて、皆が俺に注目して真剣な目で聞き出してきた。俺は自分のゾーンに入りはじめ、夢中になって歌って弾きはじめていた。
♪♬~♬~♩♪~(^^♪~~~~~~~♪
ラストを歌いあげてゆっくりピアノを弾き終わると。
パチ、パチ、パチパチパチババババババ~~~~~~バババ
拍手喝采とはこの事を言うのかと思うほど、店にいた客は全員立ち上がりブラボーを連発してくれた。
俺は御貴族様の顔を見ると、、、泣いていた、、、三人は立ちあがって泣いて拍手をしてくれていた。
俺は調子にのって次、次に名曲を弾き、歌ってやったぜ。
パブは俺のコンサートホールと化した!!!
俺は小学生の頃からピアノを習い中学二生年まで通っていた。姉と同じ高校に入った時、3年だった姉は学園祭でロックをやるからお前がピアノを弾けと無理やりやらされた。
3ヶ月位かけて姉はロックギターを練習しロック界の頂点、X〇ャパ〇の間奏を完全コピーしたのだ、
そして本番で髪を油でバックに固め袖のTシャツの袖をめくり目の下を黒く塗り、ブラックのスリムデニムをはいて太いベルトにドクロのバックル、ギターを首からかけ姉の子分達と一緒に俺はピアノを弾き始めた。
そして姉は歌い始めた。
♪~I c~~ld ~~~~~~~~~,~♪♫
♫~you'd ~~~~~~~~~~~ me♫
♪I f~lt ~~~~~~he~t ~~~~~
♫I was af~~d of ~~~~~~~~~you
(^^♪When I had lo~~~d at
~the s~~~~~~~~~ on the wall
~I st~~ed ~~~~~~~~to the night
♫to find t~~~~~~~~~~~~~~me ♫~
それは学校の永遠の伝説となった公演のはじまりだった。
くれないの尚美という二つ名も後輩に代々語り伝える事になる、、、、
そういうことで俺はまたピアノに目覚めて英国に留学するときに、この国の名曲を一生懸命練習して、姉のような一芸として身につけていたおかげで、この時の事件を無事きり抜けたわけだ。
先輩の御貴族様は俺に寄ってきて肩を叩き握手をしてきた。それから学校で会うたびに‥‥
「ユウキ~、ユウキ~、俺の家に遊びこいよ」
「メシ食べ行こうぜ!」
「パブに行こうぜ!!」
とみんなおごりだった。そして小遣いももらった。
俺のコンサートが終わってお開きになった時、赤毛の女の子は俺の後ろから抱きついてきてデッカイおっぱいをグリグリと押し付け、帰りたくないと湿っぽい声でいってきた。
俺は”エロ結城”に変身した。どこか体の一部がえらいことになった俺は彼女の肩を抱き寄せ軽くチューすると俺のアパートにいき朝まで過ごした。
俺は横で裸でうつぶせになり寝ている彼女の頭をなでまわしながら、
「君の名は、、、」
(こら!!パクルな~)尚美
こうして俺とスーザン・デービスは付き合う事になり、毎日のようにこんな事をしていた。
彼女の自宅はロンドンのセントジョーンズという。ビ〇ト〇ズのジャケット写真で有名なアビーロードがあるロンドンの中でも大変人気な高級住宅街だ。
そこの中でもさらに高級な場所にあり相当古くから続く家名らしい、俺は週末に彼女から家に遊びにいこうと誘われて、この実家の事を知らずにピョコ、ピョコと彼女についてきた。
そして家の前に着くと‥‥‥家の端から端まで100mはありそうな豪邸で見上げるほどの玄関が目の前にあり、扉がギギギギ~とゆっくり開いて、中からりっぱな制服を着た執事が出迎え、それと秋葉原でよく見かけるメイドさんが二人並び、俺に‥‥
「いらっしゃいませ~~」と透き通る声で出向かえてくれた。
本家、本元のメイドと執事だった。
俺の格好と言えば穴のあいたダメージジンーズと少し汗で黄ばんだTシャツにビーチサンダルという恰好だった。
””ギャ~~~姉さんどうしよう~やっちまったぜ~~”
(知らん!!!、、、)尚美
俺はここからどうやって逃げようかと思っていたら、スーザンが右腕を俺の左腕に絡めグリグリと体を寄せてひきずるように連行していった。俺は痴漢の犯人のようにうなだれ頭はまっしろになっていた‥‥‥‥
中に入ると廊下の両サイドに騎士が着るようなヨロイが剣をつえのようにして立っており俺のことを睨んでいた‥‥その後のことは覚えていない‥‥
気が付くと俺は応接室にいて、隣にスーザンが座り俺の左もものジーパンの穴に指をつっこんでグリグリしていた。
それを柱の陰からこっそりと眼鏡をかけた家政婦がみていた。
いつの間にか目の前のテーブルに、お皿に乗った本物のイギリスティーと三段のタワーになった皿にお菓子や軽食がのったものが置いてあった。
それをしばらくぼ~~とソファーにもたれかかったまま俺は見ていた。
スーザンは股間に手を乗せ、俺のチビ亀をもみもみしていた。またそれを眼鏡を掛けてた家政婦が柱から身をのりだして見ていた。
しばらくしてスーザンの御両親が結婚式の新郎新婦のように執事がとびらを開けて入場してきた。
まわりに結婚式の入場マーチが聞こえるような感じだったが、俺には死神行進曲に聞こえた。
「いっらしゃいユウキ、娘がいつもお世話になっているようでありがとう。」といってスーザンのパパとママは自分達の事を紹介していたがぼ~としていた俺は何も覚えていない‥‥
(しっかりしろ! 結城、ぶっ叩くぞ!!)尚美のカ~ツ
突然、背中に冷たいものを感じてやっと正気に戻った俺は今日、招待された理由を知った。
スーザンの御両親は俺がパブでやらかした事を彼女から盛りに盛り合わせた山のような船盛の刺身のような話になって伝わっており、まるで俺が1000人位の客を感動させて泣かせたような話になっていた。
あの~20人くらいですけど、、、、、うん
また御両親は若い頃からそのロックグループの大ファンで、ぜひパブでやらかした独奏会をうちのピアノで弾いてほしいと頼んできたのだ。
どうもこれはスーザンとパパとママが仕組んだようで、見た目を気にしていた俺はちび亀からスッポンくらいに元気になった。
御両親は部屋の片隅に静かに眠っていた、とても古いが品のよいおば様のようなグランドピアノの所につれてきて説明をはじめた。
これは我が家の家宝のようなピアノで100年以上前からデービス家では家族のように扱われていたそうだ。
ご先祖の”エドワード・デービス卿”が仕事で日本に赴任した時もいっしょにもっていったそうだ、俺はそのピアノをみると色を塗ってかくしているが天板に硝子できったような鋭利な傷が薄っすら見えた。
何が原因でそんな傷がついたのか、、それが強く心に残った。
手入れはしているが、御両親やスーザンはピアノを弾かないので何十年もそのままだったのでぜひ俺にこれで弾いてほしいとお願いしてきたわけだ。
俺は分かりましたと言うとピアノの椅子に座り鍵盤の蓋を開けて静かに曲を弾き始めパブの再公演をはじめたのだった。
3~4曲弾いたあと御両親のリクエストを2曲ほど引いて歌ったら二人は目を真っ赤にして拍手してくれた。
(さすが!!私のできる弟!、、)尚美
そのあとぜひ、夕飯をたべていってくれといわれ、御貴族さまの立派な正式フルコースを俺は黄ばんだTシャツの首もとに、よだれかけのようなものを付け静かに食べた。
たまに前に座っているスーザンがテーブルシーツで、隠れて中が見えないことをいい事に右足のつま先で俺の股間をグリグリしながら食事をしていた。 それで俺のスッポンがゾウ亀になりかけた。
そしてそれを柱の陰からでてきて、ピアノのそばで眼鏡をかけた家政婦がしっかりと見ていた。
食事を終えたら御両親はまた俺を応接室に連れていき、ソファーに座らせるとワインをついでくれた。スーザンママが持ってきた古いアルバムを広げ日本に関わりがあった”エドワード・デービス卿”と家族が日本の邸宅でパーティーを開いてた時の記念の白黒写真を見せてくれた。
そこにはあのグランドピアノの前で妻と15歳になる息子に18歳の娘たちとにこやかに笑っている”デービス・エドワード卿”が写っていた。
右端に日本人が写っており目を凝らして見るとなんか渋沢栄一に似ているな~と思った。
そして壁にある額縁を指さして当主の御先祖様の油絵からはじまった絵が”エドワード・デービス卿”から写真となり、隣には先ほどの息子さんが30歳位で下にイギリス陸軍近衛第1師団と表記され きれいな八重歯をだし笑顔で写っていた。
なんで軍服を着た若い写真が飾ってあるのかなと思い、スーザンパパに聞いたら第一次世界大戦の西部戦線で左腕を負傷してすぐに治療したにも拘わらず高い熱をだし苦しんで亡くなったそうだ。
俺はかわいそうにと思いなぜか二人の写真をジ~と見てた。
その後は俺は少し酔ってしまいスーザンパパが泊まっていけばと言ってくれて、客室へ執事さんに連れていってもらい部屋でパンツ1枚でベットで寝ていたらドアがギィ~と静かにあいて、ほぼハダカの上にネグリジェを付けたスーザンがうるんだ目をして体をほてらせ俺のベットにもぐりこんできた。
~~~~~~~~~~~
そして俺は今、その”エドワード・デービス卿”の前にいる、隣には写真でみた15歳くらいの八重歯が目立つ長男”ジョーンズ・デービス”そして奥方の”ファーガソン・デービス”
そして、そして、うん!?やたら俺を熱いまなざしで見つめてくる長女”サラ・デービス”食べごろのお年、、、、、
その奥にはピッカ、ピッカのりっぱなお嬢さんに見えるあのグランドピアノがあった。
つづく、、、、
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