第7話

その夜、僕は夢を見た。

コロの夢だ。

僕が「繋いだ」コロ。目を開けたまま動かなくなったコロ。

夢の中で、コロは僕に話しかけた。

『どうして僕を繋いだの?』

「死んでほしくなかったから」

『でも、僕は死んだよ』

「分かってる」

『分かってない。僕は死んだんじゃない。僕は——繋がれなかったんだ』

「何が?」

『僕の中の、大切なもの。それが、体と繋がらなかった』

コロは僕を見た。

『君の能力は「繋ぐ」こと。でも、繋げないものもある。それを忘れないで』

僕は目を覚ました。

汗をかいていた。

繋げないもの。

魂? 意識? 生命?

名前は分からない。

だが、それは確かに存在する。

僕の能力の「限界」として。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る