第2篇 秒速5センチメートル 2007年
切ない作品だった。
第一話で中学一年生の主人公がヒロインに逢いに行くため電車に乗ってヒロインの最寄り駅に行くも途中で降雪のため電車が遅延し大遅刻をかますにもかかわらずヒロインは主人公が到着するまで待ち続けていて、携帯電話のない間柄だと連絡手段とかないから不安になりながらも信じて待つしかないよなって今ならではの感想を抱いた。
それから二人は結局想いを口にできずに離れ離れになり、時は流れて高校三年、主人公は鹿児島へ引越し種子島で生活する。
そこで主人公を慕う少女が現れるも、主人公はずっと少女と話している時もどこか遠い場所を見ていて少女は眼中になかった。
この時の主人公は今でも第一話のヒロインと文通をしているか携帯電話でやりとりをしていると思っていたけどそうではなくて、離れ離れになってから連絡をもうとっていない感じがして、主人公の表情というか感情というか人間性がかなり寂しい印象を抱いた。けどちょっとこういうセンチメンタルな人間性もいいなって思う良い塩梅だった。
第三話では主人公は社会人になり、東京で働いているがヒロインとは会わず、それぞれ別の人生を歩んでいて、結局感動の再会をして結ばれるとか予想していたけどヒロインは全く出番のなかった誰かと結婚するらしく主人公はなにやってんだと思う傍ら、作中を通してどうしようもなく切なくなった。
時間にして約一時間と短い作品ながら情緒が乱され少しの焦燥感とどうしようもない切なさがこみあげてきた。
社会人になってから感動の再会ってパターンも良いのかもしれないけれど、再会はなく、無常にも時は流れてかつての想いも色褪せていくのだと、それでも忘れられないものがあるのだと心が締め付けられる作品だった。
もっと若い時に見てたら感極まって泣いてたかもしれない。
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