詩置き場

@afterstory

誘蛾灯

これはきっと、本能の形だ。

君の笑顔と仕草が、僕の太陽だ。

君は僕の名を呼んでくれる。

話すあいだだけ、僕は“僕”でいられる。

けれど――

会話が終われば、君の世界で僕は止まる。

君の日々を歩くことのない、置き去りの名前として。

だから僕は君へ飛ぶ。

ただ君は気づかない。僕の羽も、僕の心も。

君は否定する。僕もそう願う。

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