魔法学校の後輩に堕とされそう。
ほかほかいろ
第1話 距離感が近すぎる後輩に捕まる
ここ桜葉さくらば魔法高校には戦闘魔法部がある、この部活には入るのも大変入ってからも大変と有名でなかなか人が集まらないのだ。
「このままじゃ廃部になっちゃうよ」
「ほんとだね」
そんな会話しながら新入生に向けたチラシを校内に貼って回っている。
「あの陽奈ひな先輩」
急に後ろから名前を呼ばれびっくりしたけど、なんとか平静を保ち聞き返す。
「あれ、月華げっかちゃん?」
「覚えててくれたんですか。」
去年卒業した白凪菜月しろなぎなつき先輩の妹さんなのだ、先輩に似て綺麗な黒髪に可愛い顔、とてもいいスタイルをしている。自分と比べると泣きたくなるレベルだ。
「陽奈先輩に憧れてて、部活に入れて欲しいんです」
「え、ほんと!うちの部活きてくれるの!?」
「もちろんですよ先輩だから今日からその……色々教えてください」
照れながら言う月華ちゃんは余りにも可愛くて思わず抱きついてしまった。
「任せといて!」なんで先輩ぶったりしてみる、その間も月華ちゃんはニコニコしててとっても可愛かった。
私は東雲陽奈しののめひな、桜葉魔法高校三年A組趣味は寝ると。暇な時間は魔法の練習とかしてる。好きな食べ物はみかん。
「こんな感じでいいかな」部長に新入生歓迎会の自己紹介カードを見せる
「まあいいんじゃないか?」なんて適当だなって思って部長のを覗き込んだら私のを真似して書いててちょっと可愛かった。
新入生歓迎会が始まって先生たちの話とかが終わって部活紹介の時間になった。私たちは死ぬ気で部員を集めなければない、なぜなら月華ちゃんが入っても3人、最低5人はいなければ部活として認められないのだ。
事前に打ち合わせして面白おかしく紹介したつもりだったが大滑りした。ウケたのは部長の佐藤優さとうゆうちゃんですって部長を女装させ紹介したところだけだった。
新入生たちと自由にお話しできる時間になったので、色んな子に声をかけていると、
「先輩、他の子ばかりに話しかけすぎです。」
にこにこしてるけど目は笑ってない。
「何言ってるの、私は月華ちゃん一筋だよ」
嬉しそうに目を輝かせている
「月華ちゃん?」ぼーっとしてたので声をかけた
「そうそう自己紹介カード書いたの!見てみて」
そう言うと少しだけ覗き込んでくれた。
「そのくらいの事知ってます」びっくりなんだけど先輩そんな私の事喋ってるのかな?
月華ちゃんのも見せてもらった、白凪月華好きなもの陽奈先輩、趣味陽奈先輩の試合見る、好きな食べ物陽奈先輩。
……あのこれ何?
私食べ物なの?
「あのー月華ちゃん?私の事食べるの?」
「食べたいですたくさん」
「ステーキとかにされちゃうのかな?」こわいこわい冗談だよねあはは、そんな事ないない。
「先輩おかずにご飯食べるだけです」それもよく分からないよ。
「じゃあ私も月華ちゃんおかずにしようかななんて」これで私の気持ちもわかるはず怖いよねうん。
「嬉しいですいっぱい食べてください……」
なんでそんな嬉しそうなんだこの子、普通におかしいよね。
「まあ冗談はいいとしてね?部員をね後2人集めないと廃部になっちゃうから声かけまくらないとだからまたね?」
「私がもう2人集めてるのでやめてください。先輩は私のことだけ見てたらいいんです」
「え、今2人集めたって言ったよね!?凄い月華ちゃん大好きありがと愛してる女神様」全然部員を集められてないと話したからか、部員を見つけてきてくれたらしい。神すぎる月華ちゃん怖いかと思ったけど天使だった。
「頑張ったからご褒美くれませんか」
「いいよーなんでもあげちゃうよ」
「なんでも?」あれ急になんかボソボソ言い出したぞ変な事言ったかな。
覚悟決まった顔をして月華ちゃんは言った
"私と模擬戦してください"
そして私は訓練場を借り2人きりで向かい合う
「ルールはどうするの?」
「先に魔法当てた方が勝ちのルールで」
「オッケー」私は一番得意なルールで少し余裕ぶっていた、1分後には後悔する事になるが。
私は実は少し有名人なのだ。
「私に1発当てるのは大変だよ?」
「だからこそです」
「いいねそう来なくっちゃ」
久々の模擬戦にテンションが上がる。
……私、ちょろいな。
「陽奈先輩罰ゲームつけましょう」
「いいよ何にする?」
「私が勝ったら私と同室になってください」
「私が勝っても同室でいいよ」
「……いいんですか?」
「先輩居なくて寂しかったんだよね」
「じゃあ罰ゲームの意味ないですね」2人で笑いあった。
「いつでもいいよ」
そう言ったらいきなり魔法が飛んできた。
月華ちゃん無詠唱魔法か珍しいな。私も無詠唱魔法で応戦する。
相手が打つ前に魔法の通り道を魔法で塞ぐこれが私のやり方。
「ごめんだけど負けるつもりはないよ。」
今2人とも使ってるのは空気を固めて放つだけの物、簡単だからこそ無詠唱に向いてる。私の方が打つスピードが速い、このまま押し切れると思ったが。月華ちゃんは想像以上に強くて、攻撃魔法を詠唱し勝負をつける。ドーンと鈍い音がして勝負が決まる。私の勝ちだ。
「月華ちゃん強すぎるよ!」
「ほんとに強い」
正直にいえば舐めていた、無詠唱魔法だけで勝つつもりでいたのだ。だから少し悔しい。
「陽奈先輩の魔法近くで見れて幸せでした」
「ふふん」後輩に褒められてニヤニヤしてしまうちょろいな私。月華ちゃんの戦い方は少し私に似ていた。
「同室いつからにする?」
「今日からがいいです」
「じゃあ帰って準備しよっか」
ここ桜葉魔法高校は山奥にある、そのため物凄く広い敷地があるし街から通う事も難しいため90%以上が寮生活をしている。同室だと寮費が安くなる上9時以降外出禁止時間も寂しくなく過ごせるというわけなのだ。学校に申請すればいつでも同室になれる。
申請書を出し布団や着替えなんかを運びなんとか今日中に引っ越しが終わったのである。
「模擬戦もしたし流石に疲れたね」
「私は幸せです」
「私と同室なれたから?」
「はい!」
超ニコニコで答えてくれる私超好かれててハッピー
「月華ちゃん私の事好きでしょ」
「はい!」
超ニコニコで答えて?やっぱ好きなのか?これ友達的なやつだよね?
「嬉しいな私も大好きだよ、お風呂沸かしてくるね」
月華ちゃんはなぜかびっくりしていた。私は慕ってくれる後輩が好きじゃない様に見えるんだろうか?
汗もかいたし早くお風呂に入りたいけど先輩として後輩に先をゆずるべきだろう。
「月華ちゃん先どうぞー」
「ああ……あの一緒に入りませんか聞いて欲しい事もあって」
「いいよー入ろっか」
なんか同性なのにお風呂で脱ぐ時ちょっと恥ずかしいよね、そんなジロジロ見られることは無いにしても、比べられたりするのかなとか思うと恥ずかしかなっちゃうよね。
月華ちゃんが体洗ってるのは少し、いやかなりセクシーだった。私が女じゃなかったら危なかった。高身長で足が長くて胸まででかい何もかも私に勝っている。私はチビだし胸もそんなに大きくない。
「あのー聞いて欲しい話ってなあに?」身体洗って湯船に浸かりながら聞いてみる。
「私お姉ちゃんの試合見に行った時に初めて先輩見て一目惚れしたんです。試合終わった後の打ち上げに私も同席させてもらって陽奈先輩が凄い優しくて、ずっと先輩の事ばっかり考えて今日まで生きてて、その……今すごく幸せです。」
……なんかこれ告白みたいだ。身体洗ってるときもなんかジロジロ見られてた気がするし、今も湯船が狭いのもあるけど当たってるし………。
「月華ちゃんって……私の事狙ってるの?」
「……当たり前です。言ったじゃないですか一目惚れって。」
なんかあんまり良くないよなと思い、急いでお風呂から出ようとすると、距離を詰められて、湯船の縁まで追い込まれる。
私の上に月華ちゃんが動くと私は逃げ場がないことに気づいた。
「先輩今日は一緒にいてくださいね。」不敵な笑みを浮かべて私の手を取り自分の胸に当ててくる、月華ちゃんの心臓の鼓動、もちもちした柔らかい感触きめが細かい手に吸い付く様な肌。私と同じ生き物同性なはずなのにまるで違う生き物の様な感覚になった。
「先輩私今ドキドキしてます。分かりますか?」
私はなぜか手が離れない。そして月華ちゃんの胸を揉みしだいていた。
私は何をやってるんだろう。
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