フィンセント描く

画家は絵を描きたいと思って、急いでペンとスケッチブックをもって部屋から飛び出した。


今日は一日ずっと描こう。

馬鹿にされるだろう。変な奴と思われるかもしれない。


だけど、描きたい、描くべきで、描いてやるんだ。


画家は自分の考えを誰にも言わないが、心の中で自分だけにきこえるように唱えては繰り返す。


思うに何かしたいと思い立ったら、もうその時にやってみるべきなんだ。色々と考えていたらスタートの合図のピストルの音にも反応できっこない。


絵を描きたくなったのなら大いに描くべきで、立ち止まって考えるのは後に回せ。

画家は自分に言い聞かせる。


それでも生きている時間は短くて納得いくまでも描けないかもしれない。

けれども、一日は長くって嫌なことを我慢して耐えるには耐えがたい。

そして、一生は短くて一日は長い。矛盾した表現だけどあながち間違ってるとも言い難い。


画家は、光のなくなる夜までねばって、光を絵画に取り込もうと必死になる。

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