第16話

「というわけで臨時の学級会を始めます。」


時刻は放課後、何故か学級会を開くことになった。

学級委員長である星宮さんが学級会の開始を宣言する。


「今回の議題ですが、実は私もまだ聞いていません。」


そんなことがあるのか?

困惑する僕達をよそに3人の男子生徒が星宮さんの隣に出てきた。


「今回の学級会の要望は彼らが出したものです。自分たちで話したいそうなので私は一度失礼します。」


星宮さんと隣に居た藤崎さんが礼をして隅に下がっていく。


「みんな今日は集まってくれてありがとう。俺が今日話したいのは修学旅行の部屋割りについてだ。」


修学旅行部屋割り、今日の朝のホームルームで決まったばかりだが一体何を話し合うというのだろうか。

ちなみに四人部屋だったので僕は、星宮さん達と同じ部屋になっている。


「ちょっと~部屋割りは朝決まったばっかりでしょ?そもそも部屋割りは男女別々なんだから女子まで居残る必要なかったんじゃない?」


女子からそんな意見が出る。

ごもっともだ。

何故なら僕も早く帰りたいからである。


「まぁ最後まで聞いてくれ。俺からの議題は一つだ。」


壇上に立つ彼は女子生徒達を黙らせ、話を戻す。

さえない顔をしているが意外とやるのかもしれない。


「ズバリ、花江 美咲君は女子部屋ではなく男子部屋に割り振るべきである!」


壇上の彼と脇の2人は胸を張り、言ってやったぜ感を出している。

対して聞いている僕達はと言えば全員が固まっていた。

一瞬の硬直の後・・・


「ヘンタイ!サイテー!」

「美咲ちゃんはどう見ても女子でしょ!」

「そんな事の為に居残らせたの?!」


主に女子からの批判の嵐が巻き起こった。

しかし壇上の3人は怯まずに堂々としている。


「花江は元々男だった、この事実は動かない。そしていくら体が女になろうと中身までが変わることはない!それを女子と同じ部屋に割り振るなど、不健全だと思わないか?」


確かにそれっぽい意見だが・・・


「要するに女の子と同じ部屋が良いって事でしょ!このヘンタイ!」

「それっぽい意見並べてるけど、美咲ちゃんが羨ましいだけなんじゃない?」


納得するわけがない。

まぁ正直な話僕は男子部屋でも女子部屋でもどっちでもいいと思っている。

僕はそうそうに真面目に話を聞くのをやめて読書を始めた。


数分後・・・


「花江は元々男でだな・・・」

「こんなに可愛いのよ!それをあんた達みたいな獣の中に放りこめるわけないでしょ!」


僕は抱きかかえられるようにして女子達と男子達の間を行ったり来たりさせられていた。


「うぅ...振り回さないで...酔うから...」


気持ち悪くなってきたので抗議してみるが大騒ぎの教室で僕の小さい声が聞こえるはずもなく。

うぅ...本格的に吐きそうになって来た。


「皆さん!」


騒がしい教室に高くて綺麗でよく通る声が響く。

声の主は星宮さんだった。

皆の視線が星宮さんに集まる。


「もうそろそろよろしいですか?」


微笑みを浮かべたまま男子3人組に問いかける。


「いや!まだだ、まだ俺たちは納得して・・・」

「もう大丈夫ですね?」

「いやだから、まだ納得して・・・」

「大丈夫ですね?」

「...はい。」


星宮さん、なんか怖い。

なんかオーラみたいなの出ちゃってるよ。


「それではが学級会は以上で終了です。」


星宮さんは学級会の終了を告げた後、真っ直ぐ僕の方に向かってきて・・・


「それじゃあ失礼しますね。」

「あっどうぞ。」


僕を抱きかかえていた女子生徒から受け取ってそのまま教室を出てしまった。


「えっと...あの...星宮さん?その...怒ってます?」

「ううん全然怒ってないよ。」


あっはいすみません。

僕はそのまま自宅まで送り届けられた...抱っこされたままで。

=====================================================

皆さんは修学旅行どこに行きましたか?

私はベタですが関西行きましたね。

USJ楽しかったです。

今作の行先も私の経験を反映しやすいという理由で関西にしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る