1話
アリスは王城で生まれた
母はメイドだったらしく、父である皇帝から(強制的に)夜の誘いを受けたため、一夜を共にし、私を身籠ったという
そのため、アリスには第三王女という肩書きはあったが、王族の間では認められていなかった
生まれてすぐのアリスと母と数人のメイドと共に送られた離宮は、人の気配も温もりも薄く、季節の変わり目には必ず誰かが倒れるような劣悪な環境下だった
しかし、そんな環境下でも母とメイド達は私のことを、愛情深く育ててくれて、たくさんのことを教えてくれた
大変だったけど、毎日が幸せでずっと続くと思っていた
しかし、別れは突然に来た
母は流行り病で静かに息を引き取り、最後に残ったメイドも、眠るように動かなくなった
アリスが5歳の時だった
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