第2話 リミット

 言ってはいけない言葉で娘を傷付けてしまいました。


 来年の4月には35歳になる娘は、独身バツ無し、多分今は彼氏いないと思います。


 親が言うのもなんですが、綺麗な顔しているし優しい子です。


 アイドルグループの推し活や旅行が趣味で、ホットヨガや美容院も毎月数万円使っています。


 私は早く結婚しなさい等と言った事は無かったつもりでした。


 女友達や同性の職場の人の話しを聞いている時に悪気は無く、


「結婚している人?」


と聞いてしまったり、私が知っている娘の同級生の話になると、


「○○ちゃんは結婚したの?」


と普通に聞いていました。


 数年前に聞いた時には、


私「結婚したいと思う?」


娘「結婚にしたくない訳では無いけど、そんなに思わない」


 それからは、その話はしませんでした。


 先日一緒にドラマを観ている時に、40代の女優さんが小学生の子供の母親役で、計算すると35歳位で出産した事になり、


娘「35歳かぁ」


私「娘ちゃんは、子育て向いてないと思うよ」


娘「それ言ってはいけないやつだよ」


私「他人だったら言わないよ」


娘「子育てに向いている人が出産する訳じゃないよ」


私「確かにそうだね。


私は○○ちゃんをずっと見て来て思うの。


それに、があるからね」


 私は酷い事を言ったと反省して、すぐに謝りました。


「ごめんね。


傷付けるつもりじゃなかったの。


子供って思い通りにいかないし…」


娘「そんなのはわかっている」


私「婚活サイトとかで結婚する人もいるけど、興味無いでしょ?


子供が欲しいならそろそろ動かないといけないからね。


傷付けるつもりで言った訳ではなかったの。


結婚しない選択もあると伝えたかったの。


それは自由がなくなるから」


 必死に謝る私に、


娘「そんなに落ち込まないでよ」


 それからは、すぐに仲直りしていつものように話するようになりました。


 娘とは映画や食事、スーパー銭湯等に一緒に出掛けます。


 いつも気に掛けてくれて優しい子です。


 私は貴女がいてくれて幸せです。













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