匿名ラブレター

彩瑠芽

0 PROlogue

 人は、また動物も、植物だって、恋をする。愛し合い、恋し合い、新しい子孫を作る。これは、種を生き残らせるために進化の過程でできたもので、それにまんまとかかる人間は賢いのか馬鹿なのか人間自身では判定もつかない。そして、人は、動植物も、死が訪れる。これもまた進化の過程でできたもので、死は平等に訪れる。


 一年に一度、匿名のラブレターが誰かに届く。誰によって行われているのか、何の為か、まだ誰も知らない。そのためか、〇〇市の各学校では七不思議と似たような都市伝説として、噂が流れていた。

「匿名ラブレター。差出人の名前が、時には相手側の名前さえ、書かれていない秘密の恋手紙。放課後に待ち場所に行くと、学校一の生徒に告白される。もしくは、その後その人は見知らぬ世界へと連れて行かれる」

そんな如何にも仕上げられた見せかけの噂になっていた。一年に選ばれる人数は一人。その一人になるには、とにかく「可愛い」こと。ラブレターを貰うために努力する人もいれば、対に、貰わないように陰に隠れる人もいる。

 何にせよ、振り回された、少しでも意識してしまった人は、馬鹿であるのかもしれない。

 こんな事を言っている馬鹿は誰かっていうのは、後に分かる事であって、今はそう気にならないでいい。この物語の主人公は「 」ではない。いや、もしかしたら主人公になるかもしれない。その時のお楽しみとして取っておこう。



「僕はあなたに憧れたから」

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