「闇に消えた2億」

春秋花壇

登場人物紹介

登場人物紹介


華山 秀樹(かざん・ひでき)/48歳


元人気タレント。

1990年代にテレビで成功を収めたが、時代の変化とともに仕事を失う。

人当たりは良く話術にも長けるが、内面では「まだ自分は特別な存在だ」という思いに執着している。

金銭への欲望は贅沢のためではなく、失われた栄光を取り戻すための手段。

詐欺の自覚は曖昧で、最後まで「自分も被害者だ」と信じている。


神崎 雅之(かんざき・まさゆき)/52歳


不動産会社社長。

地方出身の叩き上げで、堅実な経営で成功してきた。

しかし華山の語る“特別な投資話”に触れ、「選ばれた成功者でありたい」という虚栄心を刺激される。

疑念を抱きつつも決断した結果、巨額の被害を被る。

事件後は怒りと同時に、自身の判断への後悔と向き合うことになる。


大月 麗子(おおつき・れいこ)/44歳


東京地検特捜部検事。

冷静沈着で感情を表に出さない現実主義者。

被害者にも加害者にも肩入れせず、「事実」と「金の流れ」だけを積み上げて事件を追う。

華山の自己正当化にも動じず、淡々と包囲網を狭めていく。

正義を語らないが、結果として最も容赦ない存在。


西脇 誠(にしわき・まこと)/55歳


投資ブローカー。

大物にはなれなかったが、人脈と情報を武器に生き延びてきた男。

華山に未公開株の話を持ち込み、仲介料を得る。

自分は「紹介しただけ」と考えており、事件が表面化すると保身に走る。

証言は揺れ動き、恐怖と責任逃れが言動に滲む。


神崎 恒一(かんざき・こういち)/27歳


神崎の長男。

父の仕事に距離を置いてきたが、事件を通じて初めて父の弱さと孤独を知る。

直接事件には関与しないが、神崎の精神的支えとなる存在。

世代の違いを象徴する静かな視点役。


三浦 恒一郎(みうら・こういちろう)/60歳


華山の元マネージャー。

全盛期の華山を支えたが、落ち目になるにつれ距離を取った人物。

捜査の過程で参考人として登場し、華山が変質していった過程を証言する。

過去と現在をつなぐ証言者。


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