カフェオ レ
@430-515
第1話 死に際の様子
死んだ...
人がそれを感じるときは生命の危機
社会的地位の崩壊、恥ずかしい瞬間
人によってさまざまな場面で襲ってくる
普通に生きていれば出合うことはない
普通とは...
オレは日銭を稼ぐフリーターでコンビニと
引越しのバイトを掛け持ちしている25歳独身
行動範囲はバイトと家の往復するときだけだ
友だちも少なく車の免許を持っているが
車は持ってない、持ってても誰と行くのか
オレには必要ないもので免許証は身分証だ
人付き合いが苦手なんだと自覚はしてる
趣味も特になく昔から無気力で関心がないと
周りからおもわれてあだ名は"スケルトン"から
すけとんと呼ばれてた
今思えば少しかわいくて愛着が湧いていた
鳥のさえずりアラームが鳴り
いつも通りの朝を迎えチョコクロを一つ
口に入れてバイトに向かう
鉄のボロい階段をカンカン音を立てて
降りていく
大家さんに改装を願う人もいるが家賃が
安いので無理には言えないのが現状
オレはそこまで不満はないトイレと風呂さえ
あれば生きてけると思ってる
あくびをこぼしながら
今日は朝からコンビニのバイトに向かう
早朝なので人気は少ない
駅に向かういろいろなサラリーマンくらいだろう
急足を横目に見ながら
いつものルートを歩いていき住宅街を抜けていく
オレは時間に余裕を持っているので
ゆっくりとした足取りで
バイト先の駅前のコンビニに歩いていく
信号待ちにつかまりふと本日からキャンペーンが
あったことを思い出しケータイを取り出して
調べてみた
生クリーム増量やパンを購入でドリンク無料
といったよくあるキャンペーンだった
普段よりは売れるだろうと思う商品を
頭のすみっこに入れた
コンビニに到着し制服を着てタイムカードをきる
交代の店員にいつものような変化のない情報を
聞いてレジに立った
前だしや品おろしなどお客の動きを見ながら
合間を見て行っていく普段の動き
そうこうしてるとあっという間に
お昼の交代の時間に気づく
変化のない情報を引き継ぎし退勤する
いつものように家路につき朝のルートを辿る
信号にもつかまらず住宅街に入る曲がり角の手前
後ろから"すけとん"と懐かしい呼び名が聞こえた
振り返ると高校の同級生と思われる人が千枚通しを持って笑ってない笑顔を向けながら
ふらふら近づいてくる
普段と違う光景に戸惑いながら挨拶する
温かい距離を感じながら近寄って千枚通しを
渡されて手を握り合い気づいた時には
千枚通しがその人のお腹に刺さる
紅葉の始まり
死んだ
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