第3話 最初の時間軸

 おばあちゃんおはよう。

 わたしは、今2000年にいます。

 だけどおかしいことが起こりました。おばあちゃんって高松真央であってるよね。


 わたしは、何故か他人の意識の中からこの時代に介入しています。今日は、どうやら中学校の入学式なんだけど、わたしのとなりにおばあちゃん。高松真央さんがいます。


 「ねぇ、真央ちゃん。ついにわたしたちも中学生だね。」


 「そうだね。◼️◼️ちゃん。また、よろしく。」わたし、おばあちゃんと話してる。


 この時代には、折りたたみの携帯電話があるけど、まだ普及してないのか手紙でのやり取りが主流なんだね。わたしは、手で手紙を書いたことがないから、新鮮。


 入学式を終え、教室に上がるとおばあちゃんとは別のクラス。なんだか変な感じです。

 教室のなかには、明らかに自分が一番だと誇示する女が居て、既に中心で存在感を醸し出しています。わたし、この感じが苦手かも。


 彼女の取り巻きには、たくさん女の子がいます。おばあちゃんの親友って誰だっけ。

  

 一通りの担任の話が終わったころ、急激な眠気。


 目を覚ますと、現代に戻っていました。え、こんな一瞬?時間旅行というより、短編映画を摘んだような感覚。あの後、おばあちゃんどうなったんだろう。


 おばあちゃんと邂逅した最初の時間軸は、本当にあっという間に終わりました。

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