第18話 が、ガラクタ…?

「これは…いや、ゴミか…なんで神殿内なのにこんなガラクタしかないんだろう…」

「旦那様」

「ん?どうしたのユナ?」

「ここはひとつ、このガラクタも含めて神殿内をまるっと掃除するというのはどうでしょう?」

「…‼︎おぉ‼︎それはいい考えだ‼︎よし、そうと決まればとりあえずこれを異空間に放り投げて…」


 女神の加護を受け取ったルイ達は、夜が明けるまでのしばらくの間、神殿内を探索していた。


『おーい‼︎これ見てこれ‼︎すげぇもん見つけた‼︎』


 不意に響くプラソンの声。その場に置いてあったものを異空間にしまい終わったルイとユナは、その入り口を閉じるとプラソンの方へと向かった。



ーーー



「何これ…魔剣…と、聖剣?」


 プラソンの元に2人が到着すると、既にプラソンと合流していたシリアスが目の前に刺さっている白と黒の2本の剣を前にそう呟いた。

 2本の剣のうち、黒い剣は周囲に刺さった杭に繋がれた鎖によって固定されており、禍々しい━━黒いオーラのようなものを放っていた。

 一方、白い剣はまるでその黒い剣を封印したかのように黒い剣の前に突き刺さっていた。


「魔剣?聖剣?なにそれ?」

「さぁ…?わたくしもそんなもの聞いたことありませんけど…」


 プラソンとシリアスが険しい表情をしている中、ルイとユナは呑気にそう言うと、不思議そうに剣を見つめた。


「ルイ、お前まさか聖剣と魔剣の伝説すら知らないのか?」

「えっ…あ、うん。僕はそういうのはあんまり…」


 ルイがそう言うと、プラソンはまるで待ってましたと言わんばかりに表情を明るくすると、大きく上半身をでなにかを表現しながら語り出した。


「聖剣と魔剣というのはだな、はるか昔、同時存在したと言われる伝説の魔王と勇者が…」


 ルイはそんなプラソンの話に耳を傾けるはずもなく、その禍々しい黒い剣にてを触れた。


「シリアスさん、これ、抜いて良いですか?」

「えっ?どうして?」

「どうしてって…聖剣とか魔剣が何かは知りませんが、神殿内にこんなガラクタがあったら綺麗じゃないからですよ?せっかく来たんだし、せめて綺麗に掃除しようと思って…」

「が、ガラクタ…って‼︎いやいや‼︎それ、魔剣だから‼︎太古の魔王が姿を変えただけだから‼︎」


 シリアスがそう叫んでいると、不意に黒い剣に繋がっていた鎖が光となって消え去った。


「旦那様、早くそれも片付けてしまいましょう」

「よぉーし、僕も…」

「待って待って‼︎ユナちゃんなんで聖剣手に持ってるの⁉︎えっ?聖剣抜いちゃったの⁉︎魔王封印してたのに⁉︎てか抜けたの⁉︎」

「…⁇なんのことですか⁇わたくし、ガラクタを拾っただけですけど…」

「だからガラクタって…そんな簡単に抜ける訳が…」


 シリアスがそういった瞬間、その視界の端で封印するための台座に突き刺さっている黒い剣をルイが引き抜いた。

 引き抜かれた黒い剣が、先程までとは段違いの邪悪なオーラを放ち始めると、まるで周囲の重力が増したようにシリアス達の身体が急激に重くなった。


「よし、じゃあこれも片付けて…」

「待って待って待って‼︎お願いだから一旦何もしないで⁉︎その剣明らかにやばい奴だから‼︎私今立つので精一杯になってるからね⁉︎」


 何事も無かったかのように剣を持つ2人に、シリアスは渾身の叫び声をあげるのであった。


 

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