第8話 こ、こんなつもりじゃ…
「お?2人共ちゃんと登録できたみたいだな」
「はい‼︎これで僕も晴れて勇者ってことですね⁇」
「HAHAHA‼︎ま、今はまだ冒険者だけどな‼︎勇者って呼ばれるには王に認めてもらわなきゃな‼︎」
「それもそうですね‼︎」
『HAHAHA‼︎』
ルイとプラソンが声を上げて大笑いしていると、白い紙を持ったシリアスが何やらユナと話しながら歩いてきた。
「2人共。楽しんでるところ悪いんだけどさ、今日の仕事持ってきたよ」
「
ルイ達は渡された紙を見ると、お互いの顔を見合わせた。
「スライム討伐⁇これ、ホントに簡単なのか⁇」
「僕も噂程度しか知らないけど確かスライムって物理攻撃が全く効かなかった気が…」
「大丈夫だよ‼︎魔法には弱いし、同じパーティだから私が倒すだけでみんなに経験値が入るからね」
「まさかのシリアスが全員倒す宣言…不安だ」
「何よプラソン‼︎あんた、攻撃を敵に当てたことすらないくせに‼︎」
「あぁ⁉︎言うんじゃねぇよ‼︎せっかく頼りになる男だって2人に見せたかったのに‼︎ってかシリアスだってまともに魔法を使えないくせに‼︎」
「なんですって⁉︎」
いつのまにかプラソンとシリアスはお互いに言い合っていると、その様子を見ていたルイとユナはふっと笑い出した。
「まぁ、僕らも頑張りますから」
「
「このこの〜‼︎新人のくせによく言うぜ‼︎」
「私達も先輩として負けてられないね‼︎」
ーーー
クエストを正式に受けた4人は、依頼主のいる洋服屋を訪れていた。
「いやぁ…助かるねぇ…今までこんなことは無かったんだけど、最近この辺りで現れた大量のスライムが洗濯物を溶かして大変らしいんだ。どうにかそれを退治してほしいんだけど…」
「せ、洗濯物を溶かす…⁉︎それってもしかして衣服溶かすってことd…」
洋服屋のおばあさんの言葉にプラソンがそんな反応をすると、シリアスが首裏に手刀を入れてそれを黙らせた。
「すみませんうちのプラソンが…その依頼については私達に任せてください‼︎」
「えっと…シリアス様?それって勝算はあるのですか⁇」
「ない‼︎ないよ‼︎でも、先輩として私が2人にかっこいいところを見せないとね‼︎」
不安の残るシリアス台詞に2人は顔を見合わせると静かに頷いた。
ーーー
「うーん…この辺で合ってると思うんだけどな…」
おばあさんに渡された地図をもとに、シリアス、ユナ、そして気絶したプラソンとそれを担いだルイの4人はスライムがよく現れるという森の近くへとやって来た。
「旦那様。この気配…」
「うん。間違いなく魔物だね。衣服があるから集まってきたのかな…⁇」
「ちょっと2人共⁇何コソコソ話してるの?」
「あ、いえ、なんでもないですっ‼︎」
ルイが慌てて返事をすると、不意にユナがルイの肩を叩いてきた。
「旦那様、シリアス様、来ましたよ」
ユナの指差す方向に、大小様々な大量のスライムがものすごい勢いでこちらへと向かっていた。
「えっ…多すぎじゃない⁇私1人で止められる気がしないんだけど⁉︎」
「シリアスさん‼︎及ばずながら僕も加勢しm…」
テンパるシリアスに、ルイが慌てて駆け寄ろうとすると、プラソンを担いでいるせいかバランスを崩して大きくその場に転倒した。
が、その瞬間。
ルイが転んだ場所を中心に謎の魔力の波動のようなものが発生すると、群がっていたスライムを一匹残らず消滅させていった。
「だ、旦那様⁉︎大丈夫ですか⁉︎この男のせいで転倒したんですね⁉︎今すぐ排j…」
「いや、大丈夫!大丈夫だから‼︎ユナ、お願いだからそんな物騒なこと言わないで!」
ルイとユナがそんな周囲の状況お構いなしに言い合っていると、シリアスはその状況を全く飲み込まずにフリーズしていた。
「…はっ⁉︎い、一体何が…ルイが転んだらスライムが一瞬で消え去って…いつのまにか大量に経験値が入ってレベルが17上がってて…えっ⁇」
「だ、大丈夫ですか?シリアスさん…」
「あ、うん。何か理解できないことが一瞬の間に起きたんだ。うん。うん…」
混乱しているシリアスを前に、ルイは自分が人間でないことを疑われていないことに対してほっと胸を撫で下ろした。
「よかった…バレてなくて…」
「危ないところでしたね。旦那様」
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