君に出会えてよかった

月乃 星

第1話 はじめまして

私は今までずっと独りだった。

別に家族は仲良いし、友達もいる

生活に困ってもいないなのになぜか

いつも独りだと感じていた。

仕事を始め自分で生活をやりくりし始めた時ふと立ち寄った


【ペットショップ】


そこで目を奪われたのは

ショーケースの隅っこに座りながら

こちらをずっと見ている

一匹のとてもふわふわしていて小さな・・・

毛玉・・?


「ちっさぁ・・・」

気づくと口に出ていた。

その言葉を聞いていたのだろうか

店員さんが近づいてきて


「この仔まだ産まれて2か月なんですよ~、お客様わんちゃんお好きですか?」


とても感じの良い女性の店員さんから聞かれたことをそのまま答える


「あ、いえ・・わからないです。今まで触れ合うことあまりなくて」


実際私は動物園に行ったことあるが

小さいときに2回ほど行っただけ

今までペットショップに入ることもなかった

街中で散歩している姿を見ることはあったが

特に気にすることがなかった


「よかったら抱っこしてあげてください!

この仔もお客様に抱っこしてほしいみたいですよ~?

アピール上手なんです!」


ふふ。と小さく笑う店員さんの目線の先には

さっきまで隅っこの方にいたはずが

窓ガラスに前足2本をつけて

こちらを見ている小さい毛玉さんの姿があった


店員さんに誘導されるがまま

お店にあるソファーに座り

アピールしてくれていた小さい毛玉さんを

抱っこすることになった


「わぁー・・ふわふわ、ちっさい・・」


触ると思った以上にふわふわで暖かいそして柔らかい


「つぶしちゃいそうです」


つい本音が出てしまった私に店員さんも同意してくれた


「力入れすぎるとつぶしちゃいそうで怖いですよね!

わかりますよ!こんな小さいと尚更です!

でも結構俊敏に動くときもあるんですよ?

おもちゃで遊んでるときとか、ごはん食べるときとかすごいですよ~」


ととても楽しそうに話をしてくれた店員さん

数分抱っこさせてもらい

お返ししてその日は家に帰ったが

その日からずっと私の中には

あの小さいふわふわした仔の事を忘れられなかった


数日後どうしても気になってしまい

再度あのペットショップへ向かった


まだ居てくれたことにホッとしてしまった

私のもとにあの店員さんが

「こんにちは!また来てくださったんですね!

あの仔いますよ~」


と元気な声と笑顔で話しかけてくれた


そんな店員さんに私はつい言葉が出てしまった


「この仔、連れて帰りたいです」


店員さんは少し驚いた後に

料金についてやこの仔に必要な物

今後使うであろう物、生活する上での注意点など

たくさん話をしてくれて最後には


「わからないことあれば

気軽にお店に遊びに来た時にでも話してくださいね!

もし遊びに来るときには

一緒に連れてきて合わせてください!

成長楽しみにしてますね!」


と見送ってくれた。


小さくてふわふわしている

チワワのロングコートの女の子

毛色がとても白いまだ産まれて2か月しか経っていない

そんな小さい毛玉をお迎えした。


「これからよろしくね?」

と声をかけると小さく、とても小さく

『キュン』

と鳴いた。

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