余熱

目に焼き付けたいと思う、瞬間。

自分が触れられることのできない場所まで、離れていく。

その背中を追うことは、できない。

熱く滑り落ちる雫は、止められない。

その雫もいつしか、春の陽に

消えていくことだろう。

淡く色褪せた、記憶と共に。

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