姉と弟の楽しい日常
りおん
夕飯の話
「なぁ、弟よ」
「なんだ、姉」
「その返し方はどうかと思うよ」
「そっちから始めておいてそれ言う!?」
「まぁ、仕方ないじゃん、私姉だし」
「それも意味が分からないんだが」
「なっ、実は私は姉ではなかった……?」
「安心して、血のつながった姉弟だから」
「それならよかった。なぁ、弟よ」
「なんだ、姉」
「今日の夕飯なんだが、ふきのとうの天ぷらでもいいか?」
「それ一択!? どこの料亭?」
「私が食べたいのだ」
「おう、まぁいいだろう」
「弟のくせに偉そうな」
「はっはっは、偉いから仕方ないだろう」
「じゃあふきのとう摘んできて」
「そこから!? ていうかそういうのは部下に頼むもんだろ」
「私に部下はいない」
「そうでしょうね」
「ということで、夕飯カレーね。じゃがいもたっぷり入れて」
「一気に庶民らしくなったな」
「給料日前でお財布がさみしいのよ……わかってほしい」
「まだ俺たち学生だよね」
「一度言ってみたかった」
「姉の願望に付き合わされた俺はなんですか?」
「弟です」
「わかっていらっしゃった……」
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