「ビート」〜復讐のリズム〜
白黒
プロローグ
学校の屋上。
ヘッドホンの中で、音楽が鳴っている。
僕の大事な黒のヘッドホン。
宝物さ。
ふん♪
ふふん♫
この音があれば、世界はいらない。
汚い音も、声も、全部消える。
「だって、そうだろ?この世界は汚い、汚染されているんだよ」
君たちも分かるよね?
刻まれる。
一拍、一拍。
僕の中に、正確に。
足が勝手に動く。
タン♪タン♪
その美しい白髪が舞う。
「今日は、祝福の日だね」
青空が近い。
風が強い。
まるで、今日のために用意されたみたいだ。
気持ちが良いね。
「そう、ここは僕の世界だ」♪
耳ざわりな音は、いらない。
必要なのは、このメロディーだけ。
「……そろそろ、時間かな?」ダン♫
くすり、と笑う。
フェンスに手をかけ、下を見る。
その、エメラルドの目は、何かを見据える。
小さくて、静かで、遠いその先へ。
うん。
今の僕に、ちょうどいい。
「さぁ、行こうか」ダン♫ダン♫
僕は飛ぶよ♪
「僕の世界へさ」
ドス……ダン♫
「ビート」〜復讐のリズム〜
ふん♪ふふん♪ふん♪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます