キャラクターについてちょっといろいろ

まな板の上のうさぎ

天下井こいし

「健忘の邂逅」に出てきた女の子ですね。

この子は「闇を喰らう少年」にも登場した少女です。


五歳まで平和に暮らしていたものの、火事で家が焼け、家族を失う。

そこに、少年がやってきて、寄り添い、「お名前、おしえて?」と言う。

その後、こいしは嫌われている祖父母のところに引き取られ、学校でもいじめられ続けた。

その後、少年と再会し、「お名前、教えて」と、少年の死に間際に言う。

この時、少年は自身にかかっている呪いで死亡したが、こいしはそういうのもなく、数日後に死亡。


これは、よく見るとわかるんですけど、家出したのは小5、要するに10から11歳なんです。

で、少年は産まれて十数年生きている、と書かれていますよね。

少なくとも11歳よりは上なんですよ、死亡した年齢。

また、「健忘の邂逅」の方で、歳が近いということを述べていたんですよ。

要するに、こいしが家出をしてから、数年後に彼女は死亡したんですね。

となると、家出の時に持ち出した食料はとっくに底を尽きているんです。

食料がなくなってから、彼女は飲食店のゴミ袋を漁り、その中のご飯を食べていたんです。

もしかしたら、腐っていたかもしれない。

傷んでいるかもしれない。

それでも生きるために彼女は食べていました。

すると、体の免疫力はガクンと下がりますね。

そこに、極めつけに苦しみを食べてしまったせいで、彼女は死亡したのです。


おわかりいただけましたでしょうか。


少年のせいでこいしは死亡したのではありません。

こいしは、もう自分がほぼ生きられないことを悟っていました。

だから、少年を生かすために少年の苦しみを食らい尽くそうと思ったんです。

けれど、少年は気づいていませんでした。

少年も、こいしを助けるために、必死で苦しみを食わせないようにしていたんです。


お互いの愛と優しさで悲劇が生まれてしまったんですね。


ちなみに、こいしの名前の由来は、天涯孤独から「天下井」、孤児と遺児から「こいし」というものになっています。

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