第42話:まあ、分かってたシルマの家出。

「どうも、これはご子息様であらせられますか・・・」

「そちらはお友達ですかな」

「娘がご面倒をおかけしたようで・・・」

「私はシルマの父で遠い星から遠路はるばる家出した娘を迎えに来たのです 」


「家出ってことはシルマから聞いて知ってましたけど・・・理由までは」


「家出した理由まで太陽君には話してなかったからね」


なんでも、シルマは自分の星に人間で言うとところの決まった「いいなずけ」

の有機体さんがいるらしく、でもその人?じゃなくて有機体? がシルマは

まじで嫌いで一緒になりたくなくて思い余って家出して来たってことらしい。


「そう言うことなので娘は連れて帰ります」


「それよりお父さん、シルマの存在は宇宙まで知れ渡ってたんですね」


「ネットのおかげで銀河中に知れ渡っておりますよ」


「あ〜誰かネットやマスコミにチクったやつがいるんだな」


ヨコチ君が言った。


(そもそもこんな大騒ぎを引き起こした張本人はヨコチ、おまえだろ)


って太陽君は思った。


「話は分かりましたけど・・・肝心のシルマは?彼女の気持ちはどうなん

ですか?」

「シルマは帰りたいの?・・・大事なのはシルマの気持ちだよ」


「そうだよ、本人の気持ちが一番だもんな・・・」


心のないヨコチ君の合いの手だった。


「私はここにいたい・・・せっかく朝陽さんや日向さん、それに太陽君と

巡り会えたんだもん・・・今は運命感じてる」


ヨコチ君は俺は?って具合に自分を指差したがシルマに無視された。


「私を困らせんでくれんか」

「星に帰ってしまえば過去のことなど、すぐ忘れてしまうさ」


「でも・・・」


ようやく太陽君とセックスできると思ったシルマはどうしても太陽君から

離れたくなかった。


つづく。


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