15 無理だろう……
「……あ……う……うぅ~……っ!」
「んん~……ムギ、ムギ……俺のお嫁さん……っ……!」
苦しくて喘いでいるというのに、スカイ様はなんだかそれに喜んでいる様だ。
なんか興奮している様にも思える。
「……っ……うぇっ……!!」
コルセットの苦しさも相まって、俺がスカイ様の胸元を押して拒否すると、スカイ様はムッ!とした様子で、俺を睨んだ。
「俺のお嫁さんになったくせに!なんで拒絶するんだ?!まさか……誰か他に想う男でもいるのか!?」
「……っ……ハッ……ハァ……ハッ!!」
『違う!苦しいんです~!』
そう伝えたいのに、口からは苦しげな息しか出てこない。
そんな俺を見て、スカイ様はクシャッ!と顔を歪めて、周りで見ている村人達を見回した。
「……この中のどれだ?ムギが想うゴミクズは。」
「~っ!??」
またしてもなんかわけのわからない事を……!
どうしようかと弁明しようとしたが、突然スカイ様に口元を掴まれ、そのままクルッと皆の方を向かせられる。
「もうムギは俺のモノになったし、ムギも俺の事だけが大好きだと言っている!
残念だったな、さっさと諦めて二度とムギに近寄るなよ?
ほら、ムギは昨日から俺に触られて喜んでいる!もうわけのわからない馬の骨如きが出る幕はない!!」
スカイ様は片手で俺の口元を抑えて、もう片手で俺の胸を鷲掴み、モニモニ!!と激しく揉んできた。
モニモニ……!!
モ~ニモニ!!!!
激しい動きに、俺は隠されている口から「おえっぷ!」と、えづく声を漏らす。
もうね、ホント苦しいんだって。
コルセットで死にそうなのに、その上の息する生命線の様な部分を激しく揉まれたらさ!
「……くっ……く……し……や……。(苦しいから止めて?マジで。)」
「さようならと言っているな。ムギはもうお前が嫌いだとも言っている!もう俺の事が好きだから諦めろと宣言もしているぞ!」
もうめちゃくちゃ!!
そんな事いってな~い!やめろってば~!!
「……くっ…………!!」
苦しさをグッ!と堪えて、胸をモンでくる手を握り、そのまま下へとポイッしたら……スカイ様の顔がボンッ!!と爆発する様に真っ赤になった。
「~……っ!!な、なんて大胆な……っ!!下がいいと……?
……っ…………っわ、分かった!!仕方ない……っ!つ、妻の我が儘を聞くのも夫としての役目か……っ!」
スカイ様はキュッ!!と一度目を瞑った後、なんと俺のドレスの中に手を入れ、お尻に手を伸ばす。
そして────……。
ムギュギュ~~ッ!!!
「っ!!!っ……っ!!!」
尻を思い切り掴まれた。
続けてその後は、お乳絞りの様にグニュグニュと揉み出し、胸を揉まれた時同様の苦しさに襲われ声も出ない。
「……は……くっ……や……て……っ!(吐く、止めて、お願い。絞られるぅ~!)」
「……っ!気持ちいいから早くだと……?
……~っ!!この淫乱農夫!!こ、こんなふしだらな嫁を持って、最悪だ!!」
何でもいいから止めて!
そんな気持ちで口元を掴んでいる手を掴んで剥がそうとすると、それも何を思ったのか、ワー!!と興奮状態で、お尻を更に激しく揉み込み……?
ツンツン!
ツツツン!
────チョメチョメチョメ~♬
肉に埋もれて隠れた穴を人差し指で刺激されて────……俺、何してんだろう?って突然我に返ってしまった。
「…………。」
「「「「…………。」」」」
表情なく俺を見ている村民達とか、まともな?騎士様達とかと無言で目を合わせて、本当にそう思う。
「ハァ!ハァ!!……っ〜っ!!全く〜!!なんだコレは!なんだコレは!?ムギのくせに!ムギのくせに!!」
だって、国を救った英雄様が、ただの農夫のおっさんのお尻弄ってなんかテンション高いから。
もう苦しさとか合わさって、俺は涙も枯れて、人差し指でグニグニと穴に侵入しようとする動きをし始めたスカイ様に言った。
「……(苦しいので、コルセットを)脱いでいいですか?」
「────っ!!!??」
『もうこんな茶番に付き合いたくないので。』
そういう意味を込めて冷静に言ったが、スカイ様は突然俺の白いドレスに手を伸ばし────……。
────バリーン!!!
一気にドレスを引きちぎった。
そのせいで俺は、腹にはギチギチのコルセット。
更には下半身には、無理やり着せられたヒラヒラフリル満載の女物のパンツとガーターという……変態にしてもレベルが高すぎる格好を公衆の面にさらす羽目になった。
「なっ……なぁぁぁぁぁぁっ!!??」
「こっこのっ……!!淫乱農夫がぁぁぁぁ!!!」
そしてそのままその場に押し倒されて、三回目のキスもどき!!
ベロベロ~!!チュチュチュ!!とものすごいキスをされて、周りでは悲鳴が上がり、子供連れのママ村民達は、直ぐに子供たちの目を隠して避難していく。
男性村民は真っ青になって固まっていたので、恐らく自分が俺の立場だったら……?と考えて恐怖していたのだと思われた。
騎士たちはオロオロするだけで頼りにならないので、俺は自分の(男としてのプライドの)最後を知る。
さようなら、俺の男としてのプライド。こんにちは、新たな性癖の入口さん。
混乱してそんな言葉が頭に浮かんだ、その時……突然スカイ様の後ろから剣を振り上げた人物が現れ、俺をギラッ!と睨みつけた。
「スカイ様っ!!どうかお許しをっ!!!」
その人物はアース様だった。
この場では本当に神様だったね、この地獄の様な光景を止める神様。
俺に殺意バリバリだったけど……。
アース様の剣は俺に向かって振り下ろされ、『死』を覚悟したのだが────……なんとスカイ様は後ろを振り返る事すらせずにその剣の先を親指と人差し指で摘んで止めた。
「────はっ??」
「……まさか、お前か?アース。ムギに横恋慕するゴミ男は……。」
スカイ様が摘んでいる剣がビキビキとひび割れしていき……バリーン!と砕けると、そのまま拳を振った圧だけでアース様はまた吹き飛ぶ。
「うわぁぁぁぁぁ────!!」
するとまたゴロゴロと転がっていって、今度は鶏のエサ箱に突っ込み、怒った鶏とヒヨコに全身を突かれていた。
「…………。」
「さぁ、ムギ。このままお前の願いを叶えようか!」
俺は無言で、また意気揚々と顔を近づけてくるスカイ様の顔を慌てて両手で止める。
勿論スカイ様はみるみるうちに目を釣り上げていったが……このまままた流されると、もっと酷い事になると思い、勇気を振り絞って口を開いた。
「あのっ!!俺、本当にこういう事嫌なんで!!本気で止めて欲しいです!!」
ハッキリやっと告げる事ができてホッとしたが、スカイ様は────この世の終わりが来たかと思うぐらいショックを受けている!
「……はっ……?……な……??だ、だってムギは、カッコいい俺の事が好き……。」
「えっ、好きじゃないですよ。」
もうどうにでもなれという心境で告げると、スカイ様は……真っ青になって上半身を起こしたが、俺はそれが不思議で仕方がない。
だって初対面で乳をチョメられて、更には破廉恥な格好をさせて恥をかかせる……。
更に鞭で浣腸されるわ処刑されそうになるわ……ファーストキスも奪われた。
これで好きになる人いる???
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