羽鐘の詩【歌詞集】

創作的アプローチの歌詞

Open E

　この歌詞は、自分の知らない世界をリアルに表現できるかどうかのアプローチのために書いたものです。

　題材はギタリスト。

　不器用な私には羨望の対象です。

　音楽を聴くのは好きですし、洋楽もよく聴いていたので、多少の知識はあるものの、ギターの弾き方も知らなければコードも全く不明。

　そこで、色々と調べたうえで、一つのテーマにたどり着きました。

　それは『シンプル・イズ・ベスト』です。

　物書きもギタリストも、色々と知るなかで小手先の技術に注目するようになるけど、結局は磨き抜かれた王道のものが強いのでは？　と考えたのです。

　タイトルは、もっともシンプルであり、もっとも味のあるコードです。

　それでは、触れてみてください。

『Open E』

[Verse 1]

　安物のレスポールが　最初の相棒さ

　六弦を爪弾けば　世界が広がったよ

「Ｆ」を鳴らせなくて　放り投げた夜も

　次の夜になれば　相棒を鳴らしたよ

[Pre-Chorus]

　ジミー・ペイジにヴァン・ヘイレン

　俺にとってのヒーローが

　生み出す旋律こそが

　未来だって信じていた

[Chorus]

　もっと速く誰より鋭く　指を走らせて

　複雑なフレーズで　隙間を埋めていた

「Ｃ」や「Ｇ」なんて　退屈な音だと

　あの頃の俺は　笑い飛ばしていた

[Verse 2]

　あれから相棒が増え　俺は音を磨き

　六弦は魔法を生み　世界は変わったよ

　それでも気が付けば　酒に焼けた声に

　寄り添って鳴るのは　傷だらけの相棒さ

[Pre-Chorus]

　ジェフ・ベックにエリック・クラプトン

　憧れていたヒーローは

　派手な魔法じゃなくて

　心を弾いていたんだ

[Chorus]

　ただ強く誰より優しく　弦を震わせて

　ありふれたコードが　景色を変えていく

「シー」も「ジー」も今　黄金の響きで

　遠回りした俺を　包み込んでくれる

[Bridge]

　基本の「Ｅ」メジャーは　埃まみれなんかじゃなく

　魂を震わせる　最高のリフだったよ

　スリーコードが巡り　相棒が生み出す音色

　探してた旋律は　初めからそばにあった

[Final-Chorus]

　ただ強く誰より優しく　弦を震わせて

　ありふれたコードが 　景色を変えていく

「Ｃ」も「Ｇ」も今　王道の響きで

　遠回りした俺を　包み込んでくれる

[Outro]

　ヒーローたちに憧れて　尖っていたあの頃の俺

　今は痩せた指が鳴らす　俺だけの本当の音は

　最初の相棒で　最高の相棒な

　塗装も剥げちまった　安物のレスポールさ

曲のリンク

　↓

https://suno.com/s/u202SU1dJvH3Zzub