第4話 全員釘付けにしてやんよ!
体育の授業ということもあり、ある程度の反則は見逃すという接待プレイをすることになった。
「天空…負けないから」
「私も負けるつもりはありませんよ…ふふ」
乙女モードに入り完全にお姉さん化してしまったが良い感じに煽れてるので良しとしよう。
ピー
先生が笛を笛を鳴らしたと同時に5分のタイマーが作動する。柊和がジャンケンで負けてしまい最初にボールを持つのはAチームになった。
「いくよ天空!」
「いつでもどうぞ」
さっそく美夏がドリブルで前に出てくる。ボールを奪おうとしたがすぐにパスをされてしまう。
「そう簡単に取らさないっての!」
美夏からパスを受け取った井口さんがさっそくシュートの構えにはいる。
「スリー!?そっから!?」
3Pラインから3m以上離れている場所からのシュート体制に思わずびっくりしてしまい乙女モードも解けてしまった
「左手は…添えるだけ」
どこかで聞いた事があるセリフを吐きながら井口さんは
シュートを放った。放たれたボールは綺麗な弧を描く。
まるで吸われるかのようにリングを通り抜けた。
「まじか…」
開幕スリーポイントシュートを決めたことにより井口さん含めAチームはテンションが爆上がりする。それを見ていた男子もあまりの凄さに言葉を失っているようだ。
「楓ナイス!」
「ありがと美夏!パスさんきゅ!」
「攻撃来るよ!」
シュートをされたからといって試合が止まるわけではない。すぐにボールを取り攻撃にまわる。
「まだ4分半も残ってる!こっからこっから!」
柊和が皆を元気づける。まるで強豪のキャプテンかと思うぐらい頼りがいを感じる。
詩穂がゴール下からセンターライン近くにいる柊和にロングパスを出す。
「いけ柊和!」
「OK!天空着いてきてね!」
「任してください!」
再び乙女モードに入り柊和に着いていく。
しかし美夏がすぐに戻ってきて柊和の邪魔をしている。
美夏相手では無理だと悟ったのだろう、柊和は俺にパスを出す。ドリブルをしながらゴール下までいくが今度は井口さんが俺の邪魔をし始めた。ピボットターンで後ろに振り返り白希さんにパスを出す。
白希さんはそのままゴール下までいきレイアップシュートを決める。パサを受け取ってからの一連の動作は美しく見惚れてしまいそうだった。白希さんは中学の頃バスケをやっていたらしく納得の上手さだ。
「詩穂!ナイス!」
「ありがと!」
「白希さんナイスです!」
「詩穂でいいよ」
「そうですか?では、詩穂ナイス!」
時間はあと2分
Aチームはこのまま守り切れれば勝利、Bチームはあと1回シュートをすれば逆転勝ち。
たかが授業、されど授業。最後まで本気でやってやる。
ボールは井口さんが持っておりAチームは得点を狙わず守りきる作戦のようだ。
柊和が取りに行きパスを出され何回か続けたあと美夏にパスが回される。
「今度は取らさせて頂きます」
「やってみなよ」
美夏からボールを奪おうとするとフェイントを入れてくる
しかし俺には通用しない。美夏の考えなんて幼馴染の俺には丸わかりだ。フェイントに騙されることなくボールを奪ってみせた。
「取るといったでしょう?ふふ」
「こんにゃろー!」
時間はあと16秒
まだセンターラインだがチャンスはここしかない。
そう思いジャンプシュートを放つ。
その瞬間男子の歓声が体育館に響いた。少し腹チラしてしまった。まぁ、そんなことはどうでもいい。
「入れ!」
放たれたボールはリングの上で回転している。
勝利の女神よ、俺に微笑んでれ。しかし勝利の女神は俺に微笑むことはなくボールはそのまま落ちていく。
「まだ!あと8秒!」
柊和がそう言ってトラベリングをするがシュートコースを潰されてしまう。柊和がパスを出す、パスの相手は俺だった。まだ3Pライン外だってのに!
「外れてもしらないからね!」
「大丈夫!天空なら決めてくれる! 」
(左手は…添えるだけ!)
井口さんと同じセリフを心の中で放ちシュートを打つ。
時間的にもこれがラストチャンスだ。
全員が息を呑んでボールの行方を見守る。
シュパッ
ボールは井口さんのように綺麗な弧を描きそのまま
ゴールを通過する。
「しゃあぁぁ!!!!」
ピー
数秒後、試合終了の笛が鳴った。
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