幼馴染の最強総長は、今日も溺愛する
葵
思わぬ再会
「四季学園から転校してきました市村暁(いちむらあかつき)です!よろしくお願いします!」私がそう言ってお辞儀をするとクラスのみんなは拍手をしてよろしくー!と声をかけてくれた。「じゃあ市村さんの席は窓側から2列目の1番後ろね。」担任の先生にそう言われて視線をやると、窓側には空席が見えた。先生に聞くと「あー、欠席じゃないよ。このクラスには生徒会長と副会長がいるんだけど、2人は基本的に教室にはいないの。『桜』の指名もしてないし...。」先生がそう言って少しため息をついた。サクラノシメイ?と思っていると、後ろのドアが開いて「せんせー、勇人(はやと)連れて来れなかったー。」と言いながら1人の男子生徒が入ってきた。私があれ?と思っていると「あれ、暁じゃん!久しぶり〜転校してきたの?」私の幼馴染の神田彰人(かんだあきと)が私を見てびっくりしていた。「あら、2人とも知り合いなの?市村さんの隣は柊さんなんだけど、来なさそうだから神田さんが隣に行ってあげて。」先生がそう言うと彰人は、はーい。と言って勇人の席に座った。「勇人には後で言っておくね。」彰人が私にそう言った。すると前の席の女子が「柊くんとも幼馴染なの!?いいなー会長2人ともじゃん!」と声をかけてくれた。「あ!あたしは花菜胡桃(はなのくるみ)よろしくね!暁さん!」と自己紹介をしてくれた。会長2人とも?と聞くと今度は彰人が答えた。「勇人と俺はここ燕学園(つばめがくえん)の会長と副会長なんだよ。と、同時にこの街を守る暴走族『BlueGarden』の総長と副総長でもある。」私は一瞬え?と言った。「彰人ー流石に詰め込みすぎ!暁、困ってるよ。まあ、幼馴染が再会したらこうなってたら困るよねー。」と胡桃さん言った。暁?と呟くと「あ、呼び捨てダメだった?」と悲しそうに聞いてきたが、全然!むしろありがとう!と私が答えると明るい笑顔で「じゃあ、胡桃って呼んで!」と言われた。
お昼ご飯の時、胡桃と胡桃の隣の席の森田綾(もりたあや)の3人でご飯を食べていた。「明日は学食で食べよ!メニューいっぱいあるからね!」綾にそう言われうん!と答えた。しばらくして胡桃が「そうそう、この学園の生徒会メンバーはみんなBlueGardenの人でね、しかも、みんな幹部なんだよ!全員イケメンなんだよね〜。」そう言う胡桃の顔は幸せそうだ。他のメンバーのことを聞こうとすると「...市村暁はここのクラスにいるか?」と廊下から声がした。ドアの方を見ると「湊さんだ!かっこいい!」「今日、死ねるかも、」という女子の声が聞こえた。ここです、と言うと「放課後職員室に来るよう担任に呼ばれていたぞ。」と言って去っていった。「暁!名前呼ばれてたね〜。」綾にそう言われたが、用事があるのは先生の方なのだ。「今度会ったらお礼言おうかな。」私がそう言うと「律儀〜」と胡桃に言われた。
放課後、かばん片付けをして、教室を出る。クラスの人たちにはあいさつしたから大丈夫。そして今、「...迷った、」絶賛迷子中です。あとは5階だけなんだよなー探してないの。エレベーターを使って5階に行く。「ドアが開きます」その後に見た景色は先程とは少し違った。他の階と違って少し暗い。夜中は真っ暗なんじゃないかって思うくらい。少し歩くと部屋がいくつもあることに気づいた。『梅』『桜』『茉莉花(ジャスミン)』『向日葵』『百合』『白菊』どれも花の名前だ。桜の部屋の前で私は止まった。そういえば今朝先生が言ってた。ー桜の指名もしてないしーそして胡桃に教えてもらったことを思い出した。
ー生徒会メンバーはみんなBlueGardenの人でね、しかも、みんな幹部なんだよ!ー
...あぁ、理解してしまった。ここは、本来人が立ち寄るはずのないーBlueGardenの寮なんだー焦りで動けなくなっていると「侵入者って君?命知らずだね。」エレベーターの方から声がした。さっきまで気配は無かったはず、いや知らないフリだったのかもしれない。...でも、聞いたことある声だな、と思い振り返ると「...暁?」「司(つかさ)?」ー塾の友達がいたー
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