エロゲのモブな踏み台に転生した俺。エロゲの主人公に呆れたヒロインたちがめっちゃ懐いてくるんだが?!

わいん。

第1話





「あの、すみません、落としましたよ」


 俺は仕事からの帰り道、突然、後ろからそう言われた。

 声は女性でなんとなく、一度聞いたことがある声であった。

 そのため、俺はつい、後ろに振り返ってしまった。


 だが――


「さようなら」


「あがッ!」


 頭部を何かで殴られたのだ。

 頭からどばどばと血が溢れ出す。


 そこで、俺の記憶は途絶えた。



 ――❖――❖――❖――



「っていうのが、俺の前世とやらか、う~ん、誰かから恨みでも買ったかなぁ⋯⋯」


 俺の仕事は恋愛相談だ。

 正確に言うとカウンセラーだが、基本的に若者の心理や精神に関しての相談を受け付けている。

 だが、恋愛というのは決まった道がない。

 だからこそ、間違った道を教えてしまう可能性もあるのだ。


 俺が間違いを教えてしまった人にやられたのだろうか⋯⋯。


「何もともかく、ここは⋯⋯やっぱりあそこだよな」


 ここは俺の部屋、正確に言うと、学園エロゲーのモブ役――フェイ・クライドの学生寮の中の自室だ。


「まさか、エロゲーの中の登場人物に転生してしまうなんてな⋯⋯これは何の因縁だよ⋯⋯」


 ここは俺が嗜んでいたゲーム⋯⋯『美少女の独り言』の中だ。

 そして、俺はモブ役⋯⋯主人公の踏み台だ。

 なんでこの世界に転生したのかはわから⋯⋯ないわけでもなさそうだ。


 俺は死ぬ前にスマホで『美少女の独り言』をプレイしていた。

 つい、楽しくてドハマりしていたのだ。

 だから、夜道でスマホを歩きながら使っていた。

 だから、そんな俺を咎めるようにモブな踏み台に神は転生させたのだろうか⋯⋯。


「はあ⋯⋯結構、強かったはずだが⋯⋯顔がこんなんだからなぁ⋯⋯」


 等身大の鏡を見ながら俺はそう呟く。

 そう、そこに映ったのはただのブサメン。

 まさに、モブといった感じの容姿だった。


 フェイ・クライドはこの世界で最強の力を持つ。

 だがしかし、だからと言って顔もいいわけでは無い。


 そう、超絶ブサイクなのだ。


「はあ⋯⋯この世界だったらモテると思っていたんだけどなぁ⋯⋯いや、あの薬があれば⋯⋯」


 この世界にある特殊な薬。

 それは『イケメンナレール』だ。


 それを使えば、イケメンになり、モテモテ街道まっしぐらなはずッ!!


 ⋯⋯

 ⋯⋯⋯

 ⋯⋯⋯⋯


「と、思っていた時期が俺にもありました」


 あれから数分経って心を落ち着け、俺はそう思った。

『イケメンナレール』はその効能の強さ故に入手がとても困難だ。

 世界に一人しかいない錬金術師に頼み、巨額の金を払わないといけないのだ。

 俺にそんなこと出来るはずがない。


「ふう、今は⋯⋯叡智歴17年の4月初旬⋯⋯今日が入学式だったのか?」


 入学式⋯⋯確か主人公はヒロインと廊下でばったりぶつかってラッキースケベをするんだっけな⋯⋯。

 あーいいなー、俺もラッキースケベしてー(笑)

 前世は恋愛相談という職業に就きながら童貞だ。

 えっ?恋愛相談なんだから卒業しろよ?


 う、うるせぇ!!


 いや、俺にはまだ希望があるはずだ!全国の童貞よ!オラに力を!!!!


 ⋯⋯なんてね。


 はあ、なんか楽して稼げる方法ないかな⋯⋯。

 ああ、確か、3日後には強力なダンジョンが現れて――


「あるじゃん、楽して稼げる方法」


 俺はすぐさま、行動に移す。

 今は真っ暗⋯⋯真夜中だ。

 本来、平日は学園外へ出ることは禁止されているのだが、そこはスキルで何とかする。


「〈透明化〉、〈隠密〉、〈身体強化〉発動!」


 俺は窓を開ける。

 ここは4階。

 だが、強化された肉体でパイプや、窪みなどを使い、なんとか地面まで降りる。

 警備員だって窓が開いただけだったら何も思わないだろう。

 だって、俺は透明になっているのだから。


(ふう、無事、ちゃくりーく! さっ、有刺鉄線なんてひとっ跳びだぜ!)


 そして、そのまま有刺鉄線を乗り越える。

 少し、怖かったが、まあ、一回死んでるんだし、ここが夢の中かも知れないし、今更だろ。


 周りの警備員は音も姿も気配もなく脱出した俺に全く気付いていないかった。


 そりゃあ、フェイは最強のだからな。


「さてと、目的地まで行ってみよー!」


 俺はそのまま、屋根や柱を伝って街を走り抜ける。


 そして、辿り着いたのは――


「ここ⋯⋯そう、魔法道具屋だぁ!」


 ここで買うのは光属性の魔法スクロール。

 一週間後、世界には魔王が現れてダンジョンだけでなく地上にもモンスターが現れるようになる。


 そのモンスター達に一番効くのが光属性なのだ。

 だから、俺が買い占めて、需要がある時に売ってやる!(転売ヤーの考え)※良い子は真似しないようにね。


「あのー、光属性のスクロールくれませんか?」


「ん?なんだ、坊ちゃん、いいぞ、光属性のスクロールなんて使いようが無いが、何に使うんだ?」


「い、いやぁ~、まあ、趣味の範疇ですよ」


 い、いや、噓ついてないし。

 金儲けだって趣味だし!


「はーん、だが、変なことには使うなよ?」


「は、はい!じゃあ、これで」


 店主のおっちゃんに訝しむような視線を向けられた後で、俺は大量の光属性の魔法スクロールを買った。


 お金はフェイが1000万ゴールド程、持っていたのでそこから使った。


 他にも、正規の店だけではなく裏オークションや闇市などでも購入しまくった。


 実は光属性の攻撃系魔法スクロールはアンデッド系以外には効かないため、需要がかなり少ない。

 そのため、安く、大量に売っていたのだ。


「〈収納〉!」


 そうして買った大量の魔法スクロールはスキルで収納した。








『イケメンナレール』への道


 1000万ゴールド/100億ゴールド

      ↓

 10万ゴールド/100億ゴールド



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