第4話月の想像力
夜。
窓を開け、夜風を感じる。
鼻歌を、小さく鳴らす。
風は眠ったのかと呟いて、軽く空気に手で触れた。
いつも、真実と言うものは、見つからない。
調べを口ずさむ。
チェックする音楽を、カーテンの向こうに、持っていくイメージ。
この存在と言うものが、外の道と一致するなら、奇跡的な音楽を求めている。
夜になれば、街は眠る。
それを誰もが知っているから、僕は、そっと、この夜を想うのだ。
素直な想像力を、内側から、外へと向けて、眠る木々の横で、漂う安らぎを、反復して、きっと木々さえ、安らぎを求めているのかと想像する
すると、声がする。
空から、呼ぶ声が。
なんだろうか。
人生はそんなに悪いものじゃない。
空耳のような声だが、僕の聴く音楽がきっとそう聴こえさせたのだと考えて、寒い窓の外の世界に、キスをする気持ちになった。
この洗われるような想像力が永遠に続けばいいと思った。
しかし、朝になると、忙しない身支度をした犬や鳥が、少し、爽快で憂鬱な気持ちを鳴き声に乗っけて、歩いて飛ぶから、森に行ってみたいと思った。
でも、考えをやめて、返ってくる虚しさを感じると、そこに、一抹の救いを知って、音楽と言うものはいいなと思った。
窓を閉じて、密やかな感情を、言葉で決めつけないということが、想像力に月がかかわっているのかもしれないなんて考えると、夜は果てしない感情の想像規定値ではないかと思う。
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