炎の塔の物語
芝村想吏
第1話
導師様は皆が思うような人ではないと思う。表情が自然で、誰にでも優しく、分け隔てなく接し、男どもの人気は高い。たしかに自分も彼女を、いや、導師様を美人だと思う。ただ自分にはそれだけでない、何かが潜んでいるように見えてならない。
「失礼します」「エンですね。どうぞ」「書類をお持ちしました」「そこにお願いします」導師様は今日も机に向かっておられる。その横顔がふと気になって横目で伺う。「どうしました?」気配を感じて、机に向かうまま問われた。「今年の試験者のリストですね」「ええ」「気になる方がおられますか?」
深夜。偶然導師様へ緊急の魔法反応を発見した私は導師様の部屋を目指した。こういう時の為、鍵を渡されていた私は何も考えずに部屋に近づく事になった。あえぎ声が聞こえた。一瞬どういう事か解らず凍るが、なぜか、いや、魔が差したか、ドアの前で立ち止まった。
翌日も導師様は優秀だった。部下への笑顔もいつも通りだ。私がいつもより顔を見つめすぎたらしい。「どうしました?エン」「いえ、昨日の報告に参りました。これなんですが」「分かりました。エンが対処くださったのですね。成長なさいましたね」「ええ、ああ、いえ、失礼します」「?はい」笑顔だった。
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