現代ダンジョンが本気出してきたので私達も本気出す/というか出さないと滅ぶので頑張るようです
どらわー
序章
第1話 本気出しすぎた
時は、二千と
地は裂け、海は割れ。ありとあらゆる場所にダンジョンという物が発生した。
それは一人の魔王と呼ばれる、恐ろしく、途轍もない程の存在のせいであった。
人々は恐怖し、絶望し、あるいは奮起し、立ち向かおうとした。
そう、その時だった。
「やあ、人類くん共々。
たった今からゲームを始めようじゃないか。
全てのダンジョンが踏破されたらオレの負け。
踏破するまで百年かかったらオレの勝ち。
ダンジョンのものはいくら持ち帰って貰っても結構。好きにしてくれたまえ」
魔王のスキルにより、全人類の脳裏に過ぎる映像通達。あるいは、後年の人類はこう呼んだことだろう。
魔王は続ける。
「リターンはデカいぜ?
見た目は雑草のようだが、雑草のように良く繁殖し、病気にも強く。美味く、腹持ちが良く栄養も満天な完全食糧。
この一粒で今の君らの文明なら一ヶ月は余裕を持ってエネルギーを生み出す事が出来る鉱石。
不老長寿を叶える液体。そのほかエトセトラ。エトセトラ。」
「これらアイテムを、ダンジョンに適当に放り込んでおこうじゃないか。
君たちは、配信でオレを楽しませるだけで良い。
どうだね、美味しい話だと思ってはいるのだが?」
提示された報酬はどれもとんでもない程に重く。
その一つだけを手に入れただけでもこれまで人類が苦しめられてきた問題を解決出来るもの。
そして、人類共々言える事ではあるが、欲望には弱かった。
彼ら、彼女らは自ら進んでダンジョンを踏破しようと頑張り、頑張り、頑張り――そして、敗北した。
人類の英知とも呼べる銃火器はダンジョンの魔物やトラップには欠片ほども効果が見込めず、人類は。敗北へと進みつつあった――。のだが
「OK。うん、ちょっとやり過ぎた。
オレもルナティックモードのつもりだったんだが、思ったよりも苛烈過ぎた。」
人類の脳裏に走る映像。そこには苦笑しながら平謝りする魔王の姿があった。
「まさか常人で数秒持てばいい方だとは思わなかったんだ。許せ。
これからダンジョンに潜る奴らには、謝罪の気持ちを込めてスキルを渡す。
それと、
そう言って渡されたスキルはどれもがド級のチートスキルだらけだったのだ。
人々は戦う、魔王とのゲームに勝利する為に。様々なリターンを得る為に。……配信で有名になるために!!
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