第21話 手紙

 現在クアとミラの家で数日滞在してる。この家に来た翌日に平屋のお爺様へ手紙をここの街のギルドから出したのだけど、その返事が今日届いた。

内容は”元気で安心した、そろそろ一度戻って来い、新しい窓のない部屋が出来た”という感じの内容を難しく書かれていた。


 そろそろ一度戻ろうかと思うが、まだ1度でここからお爺様の所まで転移するだけの魔力がない。私の魔力は回復が早いので1度使っても1時間ほど休憩したら多分また使える。だからどこかで一度中継地点を作れば……そうだ貯水池の街の近くの森の中なら大丈夫じゃないかな?

ここから貯水池付近まで行けば、ここからお爺様の家に行く距離の半分は超えてるし多分一度で行ける。

問題は誰かに見られると良くないって事だけ。これも夕方以降なら森の中に人は居ないだろうし居たとしても見えにくいはずだ。そうと決まったら一度実験ね。サザンカに相談しよう

「ねえサザンカ、今日一度お爺様の所に戻ろうと思うのだけど」

「魔法で行けるの?」


「一度では無理ね。適度な所で中継していくわ」

「荷物はどうします?」


「最低限の武器だけで私一人で行くわ。少しでも魔力を使いたくないから」

「私を置いて行くの?」


「そんな目で見ないで。仕方ないのよ魔法を使う場合、人数とか荷物を増やすと魔力消費が増えるのよ。多分ここまでの戦闘でレベルが上がっ……強くなったと思うから今一人なら行けそうなのよ」

「まあお姉様が決めたのならそれで。でも中継地点って大丈夫?」


「夕方以降なら大丈夫だと思うのよ。これも正直実験してみないとね」

「危険では?」


「それは否定できないけど、何事も試してみないと分からないのよ」

「わかった。クアさんとミラさんには私から話しておくね。お姉様は夕方まで準備終わったらゆっくり休んでて」


「ありがとう助かるわ」


 そして夕方、クアが話かけて来た

「今から行くのか?」

「行くわ。ここから転移して、今日の夜中か明日の朝にここに戻ってくる。建物の外には出ないからドアを開けたりは不要よ」


「でも不思議だな。ドアを開けずに移動か……靴はどうする?」

「忘れてた。玄関で靴履いてから行くわ」


「なら皆で見送りだな。帰って来る時も玄関の中だね」

「そうね。ありがとう」


 クアとミラとサザンカも玄関に集まって来た

「「「気を付けて(ね)」」」

「ありがとう行くね。転移」


 私は一瞬で森の中に移動した。一応移動後すぐに魔法で近くに誰か居ないか調べたが幸い誰も居なかった。ここで1時間ほど休憩……っと思ったら最悪!暗くて見えなかったが顔に蜘蛛の巣が当たった……。

私は正直に言うと虫が怖い。離れて見てるだけなら平気だけど……私の掌位の大きさの蜘蛛が目の前に居るんですけど……。そうだ魔法!燃やしてやる……って火事になる。

そうだ風、風魔法で飛んで行け!……よかった居なくなった。水魔法で顔を洗って、全然休憩になってない気がする。

でも何で動物は躊躇するのに虫に対しては罪悪感少ないのだろうか?


 色々有ったがそろそろ魔力も戻って来たので最期の転移……成功。新しい部屋は分からないから前に聞いた部屋に転移した。


「お爺様、お婆様居ますか?ツバキです」

返事がない。そう言えば今日の予定も聞いてない。不在かも

「ここの部屋から音がしたな……」

遠くからお爺様の声が聞こえたので少し大きめの声で言った

「私ツバキですお爺様」

「ツバキか……久しぶりだな。元気だったか?」


「はい元気です。新しい部屋が出来たみたいですね」

「そうだ。完成したぞ。先に案内しておく。ここだ」


「広いですね。ありがとうございます。物を置くところもある……武器はここに置いておきますね」

「家の中では不要だからな」


「何故かここの空気が懐かしく感じる。そんなに変わらないと思うけど」

「そうか。何となく気持ちは分かる……今日はサザンカは?元気なのか?」


「サザンカも元気ですよ。今日は初めての魔法の長距離転移なので一人で来ました。まだ二人では無理だと思うので」

「距離が伸びているのは間違いないのだな?まあこれからも時間は有る。大丈夫だ」


「今日はゆっくりできるのか?」

「サザンカ達が待っているので今日はすぐ帰る予定です」


お爺様が残念そうに「食事位も無理か?」と聞いてくる。


「食事位の時間は大丈夫です。逆に魔力が回復するまで1時間は長い距離を転移できません」

「そうか……よかった。では食べよう」


「今日は魔獣の肉を持って来たので一緒に食べませんか?美味しいですよ」

「……魔獣の肉?美味しい??あまり聞きたくないがそれはどうしたんだ?」


「出会ったので倒しました」

「そうか。会ったなら仕方ないな。何人で倒した?魔法は見られてないのか?」


「実質一人で……」

「……そうか。ツバキ相手には常識は意味が無いな。まあ怪我も無いならいい」


「それでこの肉、魔法で魔力を抜いたので直ぐに食べられますよ」

「折角だから食べてみたいな」


 お婆様とも合流して一緒に食事する事となった

「ツバキ。元気で良かったわ」

「ありがとうお婆様」

「なんか魔獣の肉を土産に帰って来た。今から食べよう」


「これが魔獣の肉です。右と左は違う魔獣の肉です」

「え?二匹も倒したのか?」


「はい。熊のと、狐位の大きさの魔獣です」

「それは軍が出て戦うやつだな……良く生きて帰って来た。騎士爵位に成れる功績をこの年で……」


「貴族って嫌いだったのですが、お爺様や最近会った北帝国の街の代表の方なんかは良い方なので少し印象は変わりました。でも自分はできたら関わりたくないですね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る