ルーズリーフは改竄が容易なため実験ノートとしての利用は不適である
ひばかり
第1話「時系列を乱すためにルーズリーフを混ぜる悪戯」
地理の授業は普段と違う教室になる。休憩時間中に移動しないといけないから少々面倒だ。最近は誰とも話さなくなってしまったから一人廊下をトボトボと歩く。寒い。ここのところずっとどんよりとした天気だが、自分にとってはむしろ好都合だ。何を食べても砂を噛むようで味がしないし、何を見ても何をしていても何も感じない。鉛のような心。それが自分を守ってくれているのかもしれない。何の意味もないのだが。
教室にはまだ誰も来ていなかった。席は決まっていないので一番後ろの窓際に座る。部屋はまだ暖まっておらず木の椅子がひどく冷たい。窓際だと余計に寒いことに気が付く。他の席に移ろうかと思ったが、ぞろぞろとクラスの子達が入って来たので、諦めてそのまま座ることにする。
地理の先生は当てたりすることもなく淡々と授業を進めるという感じ。ぼーっとしておけばいいから楽だ。寝ていても怒られはしないが流石にそれは悪い気がするから何となく黒板と教科書を眺めておく。プレーリ土は肥沃だって、だからプレーリードッグが住んでいるのだろうか。
ん? なんとはなしに机の中に手をやるとルーズリーフが入っていた。前の授業の人が忘れていった物だろうか。少しだけ丸みを帯びた綺麗な楷書でメモのようなものが書かれていた。女子特有の筆圧の弱い字だ。
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あーつまんない。ヒマすぎ。退屈すぎ。死にたい
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深刻さが違うかもしれないがほぼ同意だ。
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俺も
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そう書き加えてそっと机の中に戻した。
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