領主になったので女を殴って何が悪いってやつには出て行ってもらいます~転生魔法改革最強女子~
とまと
第1話
「こりゃ、想像以上にひどいなぁ」
最寄りの街から歩いて2日の距離に唐突に現れる魔物の森。
その森を魔物と戦いながら進むこと3日。
住民800人ほど。魔物の侵入を防ぐための木でできた心もとない柵に囲まれた街を目の前に、頭を押さえる。
「街って、おいおい……確かに、人口だけ見れば500人いれば街って呼んでもいいかもしれないけど……何時代の家だよっ!」
どう見ても、竪穴式住居が、並んでいる。
丸太をぶっ挿して横木を蔦でくくっただけの原始的な柵もそうだけど、家も……。吹けば飛びそうな掘っ立て小屋どころか、まさかの竪穴式住居。
これが、街?人口が多い村でしょう。
「いや、分かっている、分かっていた……」
嫌がらせで領主にされたときから、とっくに分かっていたさ。
「はぁ?魔法省の長官を目指すだと?」
伯爵家の三女に生まれた私には前世日本人の記憶があった。
そのため政略結婚する気はなく、働いて生きていこうと早くから思っていた。
そんな時出会ったのが魔法だ。楽しすぎてのめりこむまで時間はかからなかった。
気が付けば、国のエリートとされる魔法省に就職。女性では2人目らしい。
「何をバカなことを言ってるんだ」
就職して3年。いい加減、男尊女卑の酷い職場に嫌気がさしてきた。
セクハラパワハラ当たり前。それどころか女性の手柄は上司のもの。
だって、女は男の所有物だから。
部下の女は上司のもの。部下の女の功績は上司のもの。
私が活躍すればするほど上司が出世していい気になる。
ふざけんなっ!と思ったので、めちゃくちゃ”活躍してやった。”
私の魔力は人並外れて高い。そりゃ前世記憶でいわゆる、赤ちゃんのころから魔力を使い切って回復させるをやってきたから当たり前だ。
そして、私にしか使えない魔法もたくさんある。
魔法を習う前から独学で試行錯誤していたし、前世でたくさんいろんな種類の魔法が出てくる物語に触れていたから発想力だけは誰にも負けない。あ、全部前世の誰かの発想だけど。
手柄を上司にとられるのも馬鹿馬鹿しいと力をセーブしていたけれど、ぶつりと切れたある日からとにかくガツガツ働いて活躍した。
北に魔物が出たといわれれば駆けつけ、南でドラゴンが暴れていると言われれば飛んで行き、王都で謎の病が広がったと聞けば幻の薬草を採取し、西でスタンピードが起きたとなれば先陣を切って飛び出した。
「先輩私がやりますよ~」
「私に任せてください~」
「他に仕事はないですか~」
と、魔法省の仕事の大半を自ら買って出た。
「あはは、やっとわかったか。女は男のために働いていればいいんだ!」
と、言ったのは上司だ。
「かわいげのない女はそうして媚を売るのに必死だな~」
と馬鹿にしたのは同期の男。
「結婚相手がいないなら、夜の相手くらいしてやるぞ?仕事で疲れてるのを癒してやろう」
って本当に気持ち悪いことを言い出したのは誰だったか。
次第に、私に仕事を押し付ければいいという空気が出来上がり、ぶっちゃけ他の人なら10日はかかるであろう仕事も私の手にかかれば2時間くらいで終わるので、寝る間は惜しまずしっかり寝て仕事をした。
で、今である。
「はい。魔法省の長官を目指して、まずは昇格試験を受けます。印鑑ください」
にこりと笑って上司に試験申し込み書類を出す。上司の推薦がいるのよ。
「はっ、女が昇格試験を受けるだと?おとなしく俺の下で働いていりゃいんだ。俺が出世して長官になれば、お前を副長官にしてやってもいい」
あー、もう腹が立つ。でも、大丈夫。そのために活躍してきたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます