隣の部屋のJKが未成年の癖に缶チューハイを飲もうとしてたから、取り上げて飲み干したら酔って「君はえろすぎる」と失言かました話

伊良

第1話

俺の名前は須藤一輝すどうかづき。大学生で一人暮らしをしている。田舎から東京へとキラキラ大学生ライフを夢見てきたが、現実はそんなに甘くなかった。


友達が一人もいないぼっちというわけでない。友人と呼べる人物は2人ほどいるが、そのうち1人は大学に顔を出さなくなった。


「だから俺に誕生日プレゼントをくれよ……」


そんなことを嘆く。なぜなら今日、俺の20歳の誕生日だからだ。何もないままに20、昔なら成人になってしまった。


ここで俺は問いたい。彼女のひとりもいなかった人間はちゃんと大人として成熟出来ているのだろうか?


答えは否だろう。まだまだ俺は童のままだ。漢字の振り方は間違っていない。だって俺は……。


そんなことを考えていたところで仕方がない。今日は一限の日である。そのために早起きをしていたのだ。


決して12時ちょうどにお祝いが来ているかを確認するために早起きし、そのまま誰かからお祝いのメッセージがくるかとドキドキしていたわけじゃない。


「ハッピーバースデーフォーミー」


そう思いながら、ドアを開けた。


すると隣の部屋のドアも音を鳴らして開いた。隣の部屋に住んでいるのは女子高生の女の子だった。理由は分からないが一人暮らしをしている。


黒髪は校則ぎりぎりの長さで丁寧に手入れされ、前髪は目にかかるほど重い。その奥の瞳は大きく、光を反射しにくい静かな色をしていて、感情が読めそうで読めない。


ブレザーの下に着たシャツは真っ白で、袖口や襟元に小さなフリルを忍ばせている。ネクタイは少しだけ緩められ、細いリボンのピンが留められていた。校則違反とまでは言えないが、「普通」からは確実に外れている。


肌は驚くほど白く、血色の薄さがかえって整った顔立ちを引き立てている。メイクは控えめだが、目元だけは意志を主張するように少し濃い。泣いているわけでもないのに、いつも涙の名残みたいな潤みを帯びていた。


(地雷系はエロいよな……)


こんな下品な感想を持っている俺でもわかる綺麗で、儚くて、触れたら壊れてしまいそうという感覚。

「女子高生」という未完成さが、彼女の地雷系の雰囲気をいっそう際立たせていた。


俺が見ているのがバレたのか、急いで目を離そうとする。女子高生を見ているのがバレたら捕まるか?なにかの方に引っかかるか?


そんなことを思っていたが、彼女は小さく頭を下げただけだった。


俺も安心して小さい頃、愛ガードのボランティアのおじいさんに頭を下げるくらいの挨拶をしておいたが、その時にはもう彼女は歩き出していた。


一人廊下に残された俺はそそくさと学校に向かった。が、ここで俺にラッキーなことが起こった。


「うわ……いい匂い」


隣の部屋のJKの残り香が俺を刺激した。


「神様……プレゼントをありがとうぉぉお!」


俺はその場に5分ほど居座った。その代わりに俺は授業に遅刻した。


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