星と笑いと、母の横顔

 コンサートの帰り道、空はすっかり夜の帳に包まれていた。

 母と二人、ふと立ち止まって空を見上げた。

 星が、思いのほかたくさん見えた。


「これだけ見えると、オリオン座しかわからないね」

 母が笑う。

 私も笑う。

 その笑い声が、夜空に吸い込まれていく。


 あの瞬間、星よりも輝いていたのは、母の笑顔だったかもしれない。

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